「もったいない」という言葉を聞いて、皆さんはどんなことを感じるでしょうか?人によってこの言葉は「貧乏くさい」イメージを持っていて、「がまんを強いられているように感じる」そうです。
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◇『もったいない』の語源
京都議定書発効から2日後の2月18日、小泉首相は首相官邸でノーベル平和賞を受賞したマータイ・ケニア環境副大臣の表敬訪問を受け首相官邸で会談しました。その際、副環境相が日本語の「もったいない」という言葉に感銘を受けたと聞いた首相は「もともとは食料不足の時代に、親が子どもに『作った人の身になって大事に食べなさい』と言ったことから来た」と説明し、副環境相は「アフリカではプラスチックが1度使っただけで廃棄されるなど、多くの『もったいない』例がある。『もったいない』という概念を環境保護のために世界に広げたい」と話されたとのエピソードが報道されました。
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◇『もったいない』の概念
…なるほど、確かにもともとはがまんを強いられた時代に使われていたようです。一方、今は何でも使い捨て。だからこそ、「もったいない」と聞くと「貧乏くさい」と思ってしまうのでしょうね。
「もったいない」の先、「貧乏くさい」の先にあるものを、ぜひ考えてみてください。何より物を大切に使うことは、子ども達の心も育みます。
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◇物を大切にすること
今年の冬、モチーフをつなげた毛糸のスカートを編みました。「あら、私もモチーフを編んでスカートを作ったわ」と近所のおばあちゃんが見せてくれたのは、細い毛糸で編んだ細かいモチーフのスカートでした。娘さんのために編んだセーターを、着なくなったからとほどいて編み直したそうです。
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「毛糸は何度も使えるから」
着られなくなったらほどいて別のものに編み直す。糸が細くなったら別の糸をよって使う。手間をかけ
たものだから、愛着がわいて大事に使う。それが当たり前だったのだと、おばあちゃんは言いました。そうしてその毛糸は何十年、大事に使われてきたのでしょう。
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祖母がいない私にとって、実の祖母のような存在のそのおばあちゃんは「指10本使うことってね、とても大事なことなんだよ」と教えてくれます。環境に関する興味関心が高いわけではないけれど、指10本使ってきたから、物を大切にするということや資源を大切に使うということを当たり前のように知っています。わざわざ「環境」という分野に興味を持たなければ学べない私達を、どんなにもどかしい思いで見ているのでしょうね。
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Report 鈴木美紀子 |