第1回MELON環境市民講座
里山の自然レポート

日時 2004年5月29日(土)9:45〜14:30
場所 西風蕃山
講師 深野稔生氏
Report:参加者 布田さん
※写真はクリックすると拡大されます。
⇒いざ、蕃山へ!

大きな木!

白くキレイな銀竜草
 今回のMELON環境市民講座は「里山の自然」と題して、実際にフィールドに赴いて自然を観察し、自然を感じようというもの。参加者に事前に送られた案内書には持ち物一覧表や山での注意事項が記されていて、小学校の遠足のときを思い出しながら当日を心待ちにしていました。
 向かう先は仙台の中心部から西へ6キロほど行ったところにある、モミやブナの原生林もあるほど自然度の高い里山、蕃山です。蕃山(356m)、西風(ならい)蕃山(373m)、蛇台(じゃだい)蕃山(330m)などの山からなり、カモシカやクマ、テンが生息するなど、豊かな生態系を保っています。
⇒山を登る
 山登りのガイドをしてくれたのはMELON理事で、仙台YMCA山岳会会長を務めるなど山歩きの達人である深野稔生さん。蕃山の自然や山歩きのマナーについてユーモアを交えながらお話してくださり、小学生から70代までの幅広い年齢層の参加者たちも、自然を楽しみながら蕃山を歩くことができました。

 歩いたのは陸前落合駅から栗生中コースを通って開山堂に行き、そこから西風蕃山を抜けて百年森に入り、白滝コースから下山するコースで、蕃山の中でも自然度の高いコースとのことでした。心ない登山者が捨てていったゴミが落ちているということもなく、代わりに落ちていたものは…。それはなんと、クマやテンの糞。クマの糞は湿った感じで、まだ新しいもののようでした。私たちがやってきたのに驚いて、慌てて姿を隠したのかもしれません。樹の幹にクマが爪を研いだ痕を見つけることもできました。
講師の深野さん

子どもたちも
元気に参加☆

爪の研ぎ痕

クマの糞
⇒山の歩き方
 深野さんからは山歩きの持ち物や服装、歩き方などについてもアドバイスをいただきました。特に参考になったのは靴の話。靴底が固いのは雪山登山以外には不向きで、底が柔らかくてしなりのあるものがよく、サッカーシューズ(スパイクのついていない練習用のもの)などが特によいとのことでした。「普通の道で歩きにくい靴が、山で歩きやすいはずがない」との言葉には思わず納得。また、靴ひもの結び方なども実演してもらいました。

⇒深野さんファッションチェックはこちら!

⇒自然との共存
 かつて蕃山では開発計画が持ち上がり、その豊かな自然が失われようとしたことがあります。それを食い止めたのは自然を愛する多くの市民による保護運動でした。その運動にも関わった深野さんは、仙台のような大都市にこれだけの自然が残されているのは大変貴重なことであり、この貴重な自然を大事にしていかなければならないとおっしゃっていました。

 特に都市部に住んでいると、人工的な空間の中で自然を感じることも少なく、自然の大切さを忘れがちになるかもしれません。経済的価値や利便性だけにとらわれず、自然の価値を見失いためにも、たまにはこうして外に出てみるのもいいでしょう。自然といかに共存していくかが、これからの時代はますます問われてくると思います。
下山して…
 蕃山での山歩きは心地よい疲れを残し、麓で解散となりました。別れ際、みなさん笑顔だったのがとても印象的で、参加者もスタッフもみんな蕃山の自然を楽しんだのだろうと思います。これで家に帰ってからビールが飲めたら、最高にうまかったに違いなかったのですが、月曜提出の課題が…(現在、学生なのです)。

 次回またこうしたイベントがあるときには宿題を終わらせてから参加したいと思います。みなさんおつかれさまでした!