第8回MELON環境市民講座レポート
国際コメ年記念フォーラム 「米こそ命」

日時 2004年11月15日(月)13:30〜16:30
会場 JAビル宮城11F大会議室
参加者 約100名
主催 (財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)
共催 宮城県農業協同組合中央会、宮城県協同組合こんわ会
 「米」は世界人口の半数以上の人々の主食であり、命とくらし、伝統文化の源となっています。国際連盟は2004年を「国際コメ年」と定めました。

 現在世界の人口は約63億人ですが、2050年には90億人を超えるといわれています。このような人口の増加により、水不足、水質汚染の環境悪化とともに、深刻な米不足を招くことが懸念されています。こうしたことから、米・水田・稲作の果たす重要な役割を再認識するとともに、求められる取り組みの方向性を議論しました。


「国際コメ年」とは?

コメは世界の半数以上の人々の主食となっており、世界的に重要な食料といえます。また、開発途上国における飢餓問題に対しても、コメはその解決に大きく貢献するものと考えられています。こうしたコメの重要性を改めて認識し、またその意識を世界の多くの方に伝えることを目的として、国際連合では、2002年12月の国連総会で2004年を「国際コメ年」とすることを決議しました。

開会あいさつ
木村修一理事長
「米は栄養学的に優れており、環境保全の上でも極めて有効に機能する。食文化や伝統行事の根源となっており、水田農業の役割を再確認する必要がある。」

話題提供
冬木勝仁氏(東北大学大学院農学研究科 助教授)
「そもそも米は自給的性格が強く、貿易率は小麦粉の3分の1(6%)程度なのだが、WTO農業協定下、本来は自給出来る日本や韓国が、米輸入国となってしまった。国民の米消費量はここ40年で半減し、供給熱量の割合では、畜産プラス油脂が米を抜いてしまった。米を主食と位置づけることさえあいまいになっている」

佐々木武彦氏(元宮城県古川農業試験場長)
「アジア各国では過酷な環境でも稲作に取り組んでいる。日本は条件的には恵まれているにもかかわらず、農家は展望を失っている。宮城県においては、天候の要件において良質米産地となりうるのに適期作付けをしないなどよい条件を活かしきれていない。日本人の食生活と日本の稲作は現状のままでいいのかどうか、よく考え直したいものです。」

パネリスト
及川昭子氏(前JAみやぎ女性組織協議会フレッシュミズ会会長)
「手間ひまかけていいものを作ろうと努力しているから、価格だけで判断せず、消費者がもっと理解してほしい」

菅原玲子氏(みやぎ生協八木山米の会元会長)
「日本型食生活を維持していくためにも、表示を見て国産を選ぶとか、産地を確かめて購入したい」

 全体のまとめとしてコーディネーターの河相一成氏(MELON理事)が@消費者の食行動と生産者の行動がずれているのでどうつきあわせていくかA農業と食糧のしくみの問題は、全体の経済のしくみの中で考えていくために学習が大切B国の公的なバックアップをベースに、協同組合間で大きな仕組みを作っていくことが望まれると結びました。
♪アンケートより 参加者の感想♪
フォーラムの内容について
@話題提供について
・現状について理解が深まった。
・冬木先生の話は、コメの国際的動向、国内のコメ消費の現状など大変わかりやすかった。いろいろ国の農政について問題提起して下さったのだから、もう少し時間を延長して農政の流れ、これからの反応について聞きたかった。
・内容が密なので、とてもよい講演なのにおひとり30分というのは短すぎるのではないでしょうか。もう少しゆっくりかみくだいてお話していただきたかった。
Aパネルディスカッションについて
・時間が押してきて、討論まで至らず消化不良の感じ。日本型食生活についての消費者、生産者の立場からの発言がよかった。最後にコーディネーターが3つのテーマで意見を集約してよいまとめになった。

その他 お気付きの点
・理事長のお話をもっとゆっくり時間をとって聞きたかった。
・6年程前まで消費者活動、生協活動と無縁で食べ物の知識がありませんでした。その頃「安心安全な国内産食材」という言葉が理解できませんでした。国内産がいいのか(輸入品のポストハーベスト問題、顔の見えない生産者の問題)をきちんと伝えていくことが大切ですね。又、国内産といえども、単に生産者の名前が書いてあっても、安心と書いてあっても、どこがどう安全かを消費者にわかるように伝えてほしいと思う。
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