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第5回環境市民講座
  「石巻施設見学ツアー〜日本製紙工場・東部浄化センター〜」開催レポート
日時 2010/07/30(金) 参加者  10名+メンバー6名+スタッフ2名 合計18名
スケジュール  8:15 仙台駅西口集合
      マイクロバスで移動
10:00 日本製紙株式会社石巻工場 見学
12:30 昼食
13:45 石巻東部浄化センター 見学
14:45 石巻東部浄化センター 出発
16:00 仙台駅到着・解散
私たちが日々大量に使っている紙や水。
使った後、はたしてどのようになっているのか、を見て考えてもらうため開催しました。
場所は石巻市の2つの施設。石巻市は古くから北上川の恵みを最大限に活用してくらしてきた地域です。

1つめは、日本製紙株式会社の石巻工場。世界一の工場を目指しているくらい大きな工場です。
古紙や新聞紙から、また紙を作っています。また、海外から運ばれ大量に使う木材チップも海外で植林・管理した森林から切り出されたものです。さらに、紙を作る工程などで出た廃材を工場内にあるバイオマスボイラーの燃料として活用し、工場内の電気はこのバイオマスボイラーで賄われているそうです。

東部浄化センターは、生活排水のほか、周囲の漁業加工工場の排水を処理しています。小さな微生物が、水の中で汚れの原因となるものを食べてくれることによってきれいにします。ですが、市民の税金で、工場から垂れ流されるとても汚い水を処理しているそうです。考えさせられますね。
@日本製紙株式会社 石巻工場
最初におはなし  大型トラックで運ばれてくる古紙  古紙の中には・・・
石巻工場の概要の説明がありました。
N6という最新式のとても大きな機械があるそうです。が、一方紙需要の減少や不景気で止めている機械もあるそう。
ブロック状に固められて雑誌などの古紙が山積みになっていました。圧巻・・・ 古紙の中には、リサイクルできないものも。ノートのプラスチックの表紙や、雑誌の表紙で厚くコーティングされたものなど・・・リサイクルできません。
古紙の中の異物  排除された異物 紙を作る機械
運ばれてくる古紙の中には、鉄くずやパイプなどもあります。確証はありませんが、回収業者が古紙のほかにも鉄くずを回収しているため、混ざるのではないかと思われます。 大きなドラム缶で古紙は溶かされます。そこで溶けなかったものが排除されています。プラスチックの表紙などが多いですね。 これはN5という紙を作る機械です。端から端までが見えないくらい長い!!1つの機械で紙の繊維を吹き付けて、乾かして、裁断して、ロール状の紙ができあがります。
製品にならない紙 水の浄化設備 木材のこだわり
少しでも紙のなかに粒や点があると商品になりません。機械で排除された紙ですが、人の目にはなかなかその点が見つけられない・・・十分使えるのにもったいないです。 紙を作る工程には大量の水を使います。溶かしたり洗ったり、工程で汚れた水は工場内の浄化設備できれいにしてから海に返します。 紙は木を使います。その木もなるべく環境に不可をかけないようにと、海外で植林し、大きくなるのを待ってから材料として使います。そしてまた木を植える・・・そのサイクルを確立しているそうです。

この後、工場の食堂の会議室でお弁当を食べました。
その間も参加者からはさまざまな質問が飛び交い、ひとつひとつ丁寧に対応してくださったスタッフの方々、ありがとうございました!!
   
A石巻東部浄化センター
最終貯水槽 覗き込んでいるのは・・・ 汚水です
微生物がきれいにした水ですが、最終貯水槽で最後に異物を沈殿させ、上澄みだけを海に流します。 なかなか見ることができません。気をつけながら中を覗き込みました。 見ているのは、数日前に流れ込んできたとてもとても汚い水。どうやら周囲の工場廃水のよう。こんなに汚いと、微生物も処理しきれないので、少しずつ少しずつ他の水と混ぜて流すそうです。
説明いただきました
 数日前に流れてきた汚れのひどい水のため、お忙しいようでした。
 微生物も私たちと同じなのだという言葉が印象的でした。「私たちが飲めない『油』や『薬品』は微生物にとっても毒なんです」と。
 油はなるべく流さないようにしてください、洗剤よりも石けんを、と願いが込められた言葉でした。

 短い時間になってしまいましたが、いろいろとご説明いただき、ありがとうございました!
機械や化学薬品で水を処理するわけではなく、私たちと同じ生き物である微生物に食べてもらっている。その管理をしているだけなんです、とのこと。
参加者の感想
大人 
●限りある資源の大切さを知りました。紙問題はグローバル化に来ているのを知りました。勉強になりありがとうございました。
●石巻を観光ではなく水環境に関わる施設から見ることができて、イメージが変わりました。工業地帯のある大きな街だったのですね。日本製紙も浄化センターも担当者が丁寧に説明していただき、質問にもきちんと答えていただき好感が持てた。CSRにきちんと取り組む企業だと思った。私達もより環境配慮の暮らしを心掛けようと思った。
●日常よく使っている紙や水に対しての見方が変わりました。水は汚さないように気をつけたいし、紙も大切にリサイクルしたいと思いました。なかなか入れる機会のない所へ入れて貴重な体験でした。
●製紙工場の巨大ロール紙が200kmあるのには、驚きました。汚水も浄化して放流していることにも感心しました。
●日本製紙:国の省庁の立割行政に苦労している様子を聞く事が出来た。浄化センター:企業の利益追求のための産廃処理水を県の施設で行うのは適正ではないと感じられた。
子ども 
●いつも学校で使っている教科書やノートが作られる様子が見られて良かった。大きなロール紙はすごかった!!お皿を洗う時には、油を流さないように気をつけようと思います。楽しかった!!
●楽しかった。紙の大きなロールを見て勉強になりました。

 
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