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執筆■南頼彦  2007/9/7up
「砂浜美術館から考える」

  私には数年前から一度訪れてみたい場所があります。それは、高知県黒潮町にある砂浜美術館。砂浜美術館とはいっても、建物はありません。美しい砂浜そのものが美術館であり、そこにある全てのものが作品である、という発想の転換にとても感動したのを覚えています。
 私が砂浜美術館を知ったきっかけは、Tシャツアート展というものを本か何かで見た時だったと思います。浜辺に杭を打ち、ロープを張り、洗濯物を干すようにTシャツが並べられている写真がとても印象的でした。また、海に流れ着いたもの全てを作品とする漂流物展も開催されているようです。その漂流物展では海に流れ着いた貝がらから農薬の容器、自然彫刻された流木なども作品としていたりと、環境問題や自然の営みを感じさせられるものもあるようです。
 また、そこにある全てのものが作品である、という発想から、砂浜美術館のコンセプトには、
美しい松原、
沖にみえるクジラ、
砂浜に咲くらっきょう、
卵を産みにくるウミガメ、
砂浜を裸足で走る子どもたち、
流れ着く漂流物、
波と風がデザインする模様、
砂浜に残った小鳥の足跡
なども作品であると明記されています。
 そこにある全てのものから環境問題や自然の営みなど様々なことを感じさせられる砂浜美術館。一度は是非訪れてみたいと思っています。みなさんもいかがですか。
 

 そこにある全てのもの。皆さんの周りには何がありますか?
今、この文章を書いている私の目の前にはCDプレイヤー、レコードプレイヤー、そして脱ぎ捨てられたジーンズ、Tシャツに缶バッジが飾られていたりと様々です。それを見ながら時々思うことがあります。CDプレイヤーの周りにおいてあるCDはプラスチックでできていますが、このCDは一体どのくらいの石油を使っていて、地球温暖化にどのくらいの影響を与えているのだろうか。また、スピーカーや家具に使われている木材はどこから切ってきた木材なのか。Tシャツの原料は?原産国は?どんな企業が作ったのか?などなど。
 身の回りのものから環境問題を考えてみるのもひとつの手かもしれません。そこにある全てのものから、いろんなことが見えてくるはずです。

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