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執筆■廣重朋子  2009/1/6up
「エコ」ってなんだろ?
 みなさま、明けましておめでとうございます。
 本年もMELONをなにとぞよろしくお願いいたします。
  さて、昨年はしきりに“エコ”という言葉を耳に年でした。
 エコバッグ、エコ住宅、エコ出張、エコキュート、エコマーク、エコキャップ、などなど。
 “エコ”が巷(ちまた)に浸透したのも、洞爺湖サミットのひとつの成果かもしれませんね。(一方、温室効果ガスは90年比8.7%増加してしまってはいますが・・・。)
 どうしても、「環境」や「地球温暖化防止」と漢字が並ぶ言葉だと、堅苦しい、難しい、つまらないという印象がついてしまいます。それでは世間には広まりませんよね。
 だからこそ、最近は企業や広告メーカー、私たちも「エコ」というかわいらしい言葉をよく使わせてもらっています。ちょっとオシャレになりますよね。抵抗感がずいぶん和らぐ感じがします。
 たった2文字で分かりやすい。とても便利な言葉です。
 
 けれど、最近やたら使われているなぁとも感じています。
 どこがエコなのか、分かりにくいことも多々…。みなさんもテレビを見ていたり、宣伝を聞いたり、疑問を抱くことがあるのではないでしょうか。どこがエコなのか、と。
 
 エコ=エコロジー=人間を含めた生物とその環境との相互関係を研究する学問、生態学。

 学問が元になっているんですね。日本語に訳すとちょっと難しく、漠然とした言葉です。そのために、いろいろな解釈ができてしまいます。 
  逆に、例えば「オーガニック」もよく出てきていますよね。
 言葉の意味としては、オーガニック=化学肥料や農薬を使用しない、また有機栽培で栽培した作物のことですが、「オーガニック」や「有機」と商品表示するには農林水産省の定める有機JAS認定が必要となるんです。やたらに書いているわけではないんですよ。定める前には、自称有機栽培などの誤解を招く表示が多かったために規定が作られたわけですが、今のオーガニックを表示するためには3年間農薬や化学肥料を使用していない土地で栽培していることや、遺伝子組み換え原材料は使用しない、などなどいくつかの規定をクリアしなければなりません。
 このように基準がはっきりしている言葉であれば分かりやすい。掲示に対して信用もできます。

  けれども、「エコ」という言葉には基準がありません。
環境に良いんだろうなぁとは思うものの、どのように環境に良いのか、「エコ」という言葉だけでは具体的には分かりにくいですよね。
こんな風に、巷にあふれる「エコ」の言葉に疑問を抱く方はきっと、環境に対して関心の高い方々だと思います。たくさんの情報の中から、意識を向け、自分の知識とのずれから疑問を感じているわけですから。

 「エコ」という言葉をインターネットで調べていて、私が納得した解説がありました。

 
エコ=エコロジー+エコノミー(経済・節約)

 現在の社会ではどちらも重要で、人間と自然環境と経済の相互に組み合わせたものを、「エコ」と呼んでいるのだとすれば、納得です。
 自然環境を重視していけば、昔の生活に戻れ、という発想にもなります。確かに、昔の生活に戻れないことはないでしょう。ですが、無理をするのでは一般に広くは広まらないし、続きません。
 そうではなく、今の生活や経済の中でいかに環境に配慮をするかを考える「エコ」という言葉は、一般のみなさんが環境に意識を向けるきっかけとしてとても有効なのだと思います。

 「エコ」を入口として、本当に自然環境に良いこととは何なのか、それを自分で考え、見つけていく時代なのかもしれませんね。

 今年もよろしくお願いいたします。

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