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執筆■大原英範  2009/2/3up
環境保全米
 1月18日の日曜日に、電力ホールに於いて開催された「第4回 環境保全米 公開シンポジウム」に申込、参加してきました。
 皆さんは、環境保全米と聞いてどんなお米とお思いになりましたか。

  環境保全米とは、簡単に言うと『農薬や化学肥料に頼らずに生産するお米』で、もうちょっと詳しい当日の資料によると『農林水産省の特別農産物表示ガイドラインに基づき、JAが生産農家の栽培管理と指導を行って栽培されたお米です。その取り組みを第3者機関等が、JAの生産管理体制の実地調査を行って認証されているそうです。また、化学窒素成分及び化学合成農薬は、県慣行栽培基準の50%以下で栽培されている。』・・・一粒、一粒愛情溢れるおいしいお米なんですね。

 この「環境保全米 公開シンポジウム」に参加申込をしたのは、「環境保全米」に関心があったこともそうですが、このシンポジウム参加者全員に、1袋2kg入りの環境保全米を無料でお土産にいただけるという、暗いニュースばかりのご時勢に大変明るい、太っ腹なことだと感心しつつ、遠慮なく夫婦で参加して4kgの環境保全米をタダで頂戴してきました。
 頂戴した環境保全米は、JA栗っこの農家の方々が心を込めて米づくりに取組み育て上げた「環境保全米ひとめぼれ」でした。
 この大変明るい・太っ腹なシンポジウムを主催したのは、宮城県農協中央会、宮城県、NPO法人、河北新報社などで構成する「みやぎの環境保全米県民会議」だそうで、当日は約1000人が参加したそうです。
 
 シンポジウムは、2部構成で第1部は、大崎市の松山で日本酒を酒造している「一ノ蔵」の熊谷伸二・執行役員製造部長が「酒づくりと環境保全米」と題して講演され、日本酒の原料であるお米の調達を、地元農家から環境保全米を活用する取り組み等が紹介されました。
 19日の河北新報朝刊にもこのシンポジウムの記事が掲載され「生態系や自然を守る環境保全米は、酒の原料としても安全で高品質。2次産業、3次産業が積極的に支えることが必要だ」と強調した。とありました。
 第2部は、タレントの大桃美代子さんと東北放送のアナウンサーお二人によるトークショーが行われ、大桃さんの米作りを始めたきっかけが、実家の新潟県魚沼市で遭遇した2004年新潟県中越地震で被災したことに端を発し、「復興に向けて頑張っている魚沼を全国の人に知ってもらいたい。」と、農業を始めたそうです。
 地震で被災した皆様や全国の方に、食べて元気になってもらえるお米作りを目指しました。
 低農薬の安全なコメ作りには大変な手間がかかることや、栽培した古代米「桃米」を販売しているのだけどなかなか売れない。生産者がいくら環境に配慮した農産品を栽培しても消費者の皆さんが、しっかりとその対価を払うことにより、環境や農業を支え守っていく姿勢が求められる」と力説されていました。
 当日、タダでいただけるとホイホイ出かけて行った私は、恥ずかしくなりました。・・・でも安全安心な環境保全米をしっかりいただいてきました。生産者の方の苦労を味わいながら、ちゃんと残さず食べようと心に誓ったことは言うまでもないと思います。

  逆に、例えば「オーガニック」もよく出てきていますよね。
 言葉の意味としては、オーガニック=化学肥料や農薬を使用しない、また有機栽培で栽培した作物のことですが、「オーガニック」や「有機」と商品表示するには農林水産省の定める有機JAS認定が必要となるんです。やたらに書いているわけではないんですよ。定める前には、自称有機栽培などの誤解を招く表示が多かったために規定が作られたわけですが、今のオーガニックを表示するためには3年間農薬や化学肥料を使用していない土地で栽培していることや、遺伝子組み換え原材料は使用しない、などなどいくつかの規定をクリアしなければなりません。
 このように基準がはっきりしている言葉であれば分かりやすい。掲示に対して信用もできます。

  今回のシンポジウムの目的である環境保全米がいかに安全安心に配慮した栽培かということが、参加した皆さんにきちんと伝わったと思います。

 「みやぎの環境保全米県民会議」では、宮城県内での環境保全米の作付け面積を、本年度コメの全作付面積の約30%から、2010年度までに70%に上げる目標を掲げていると発表していました。

 生産者の環境保全米作りの取り組みは、水田の環境を保全し、安全で安心なお米を消費者へ提供していることだと思います。そして消費者は、この環境保全米をできる範囲で購入することが環境保全活動の一躍を担っているのだと思います。

 皆さんも可能な限り、そしてできることを今一度、考えて取組んでみませんか。我家も家計が許す範囲で環境保全米や地産地消の商品を購入することを続けたいと思います
 

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