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三人寄れば文殊の知恵?
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下のフレーズは、世界各国のことわざを集めたもので、全て同様の意味を表しています。日本語ではなんということわざになるでしょうか? |
英語 |
Two heads are better than one. |
(訳)二つの頭は一つより良い。 |
フランス後 |
Deux avis valent mieux qu’un. |
(訳)二人の意見は一人の意見より価値が高い。 |
ドイツ語 |
Vier Augen sehen mehr als zwei. |
(訳)四つの目は二つの目よりもよく見える。 |
イタリア語 |
Ne sa piu un papa e un contadino che un papa solo. |
(訳)教皇一人よりも教皇と農夫二人の方がよりたくさん知っている。 |
スペイン語 |
De un consejo de tres emana la sabiduria. |
(訳)知恵は三人のアドバイスから生まれる。
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いかがですか?正解は…
「三人寄れば文殊の知恵」です。この他、ロシア語や中国語、韓国語でも同じようなことわざがあり、調べてみればきっとたくさんの言語でこういった言葉があると思います。「集まって考えればよい知恵が浮かぶ」というのは、世界のどの地域でも昔から言われているというのがわかりますね。 |
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さて、現在世界の一大問題となっている地球温暖化。これを解決するために世界各国の環境関係省庁の大臣らが集まって毎年開いている会議、それがCOP(コップ)です。協議の場は必要に応じてCOP以外にも開催されますが、最終決定はCOPでしかなされません。今年はデンマークの首都コペンハーゲンが開催地となり、12月7日から18日まで連日会議が行われます。 |
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そもそもCOPとは何なのか?Conference Of Partiesの訳で、日本語では「気候変動枠組み条約締約国会議」と言います。あれ?英語だとたった3語なのに日本語にするとずいぶん長い…そうです。COPというのは、直訳すると「締約国会議」という部分を指したもので、「気候変動枠組み条約」の部分は英語にはまったく入っていません。実はCOPという言葉自体は地球温暖化問題に限った用語ではなく、国際条約の中で加盟国が物事を決定するための最高機関として設置されているものなのです。環境問題に限定して見てみるだけでも、生物多様性条約(CBD/Convention
on Biological Diversity)や砂漠化対処条約(CCD/Convention to Combat Desertification)でもCOPという会議は存在します。しかしその中でも一般的にもっとも頻繁に聞かれるのが、気候変動枠組み条約(Framework
Convention on Climate Change)のCOPなので、一般にCOPと言えばこちらのCOPを指します。
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COPは今年で15回目を数えますが、日本人にとって最もなじみがあるのは京都議定書が採択された第3回(COP3)でしょう。2008年から2012年までの各国の温室効果ガス削減量を定めた会議で、日本は1990年と比較して6%削減することを決めました。
「3年後」というと少し先のような気もしますが、世界中の国々が集まって物事を決めるために残っている時間として考えると、京都議定書の期限が切れる2012年はもう間近に迫っています。今年のCOPの目的は、2013年以降の温暖化対策について決定し、各国の合意を得ることにあり、先進国の短期・中期目標と2050年までの長期目標の数値が最も関心が寄せられる項目です。多くの先進国はこれまでに自国の削減目標を提示していますが、この目標を全部足してもIPCC第4次報告書で気候安定化のために必要とされている削減幅には及びません。またその目標も、自国で削減する部分と森林などの吸収で達成する部分、あるいはそれ以外の方法で達成する部分の割合が明らかではありません。さらに米国はまだこの目標を示していないのです。
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今回のCOPは、首脳級の参加者が多く集まると言われています。これまでは大臣が最終2−3日間会合を開催していたのと比較すると、いかに政治的に重要視されているかが伺えますね。
「三人寄れば文殊の知恵」。三人どころか世界中からたくさんの人が集まるこの会議。どのような結論が出されるのでしょうか? |
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