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第9回環境市民講座 「冬の渡り鳥観察会」レポート

開催日 2006年2月4日(土)
観察場所 手代木沼(角田市)
参加人数 17名

Report 小島淳子(MELON水部会メンバー)
 立春寒波ながら快晴の2月4日(土)、角田市で開催した観察会には、17名が参加しました。講師は、日本野鳥の会などに所属しながら、地元を中心に執筆活動や愛鳥教育を実践している高城務さん。
 まず、学水館あぶくま・角田館(阿武隈川の体験型施設)で、高城さんから、野鳥の種類や渡り鳥の集まる環境などについてのお話を伺い、バスで手代木沼へ移動しました。
 江戸時代に農業用ため池として築造された手代木沼は、夏には蓮の花が一面に咲き、冬には渡り鳥が飛来し越冬します。水深が平均1mと浅いので、マコモが群生し、沼の水を浄化し、野鳥の餌にもなっています。最近排水設備が作られたものの、給水は自然任せのため、夏場に水面が浅くなり、温度が上昇、メタンガスが発生することもあるそうです。沼の中央に人工的に作った建物が、ハクチョウの飛び立つスペースを奪い、飛来数が激減したため、取り壊したこともあったとか。鳥の立場を考えた施策が望まれます。

 日本で一般に観察できる鳥は約275種のうち約74種が、秋に北から日本に飛んできて春に北へ帰って行く冬鳥です。この日は凍結した湖面の合間に数種類の野鳥を観察しました。全国的な現象として、餌付けするようになってから、小型のマガモやコガモ、コハクチョウが減り、大型のオオハクチョウやオナガガモが増えています。

 渡り鳥は、夜通し飛び続けても、月光などで光る湖面を見つけることができます。鳥瞰的に見ているので温暖化などの地球の温度変化に敏感に反応した行動をしているそうです。ロシア方面からの長旅をしたハクチョウは痩せていて首が細いこと、6月に生まれ9月には成鳥の大きさになり白い羽根になるまで3年かかるハクチョウの子も毎年飛来してくること、帰化鳥であるガビチョウ(画眉鳥)がウグイスの生息環境に入り込み、ブラックバスと同様に生態系をこわしていること、等々。高城さんのお人柄に惹かれつつ、渡り鳥の気持ちに近づいた2時間でした。

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