home >>> イベントレポート>>> おびやかされる海の生き物  
第7回環境市民講座 「おびやかされる海の生き物」レポート
日時 2006年2月18日(土)13:30〜15:30
会場 気仙沼市健康管理センターすこやか
参加人数 84名
Report/小松英紀(MELON環境市民講座気仙沼実行委員)
「えっ、何これ!」「ひどい!」「かわいそう…」
 第7回、MELON環境市民講座「おびやかされる海の生き物」の講演で映されたスライドへの参観者の素直な反応であった。画面には、海に棄てられた網に首を絞められ死を待つばかりのアザラシ、口にビニール袋を引っ掛けたままの海亀、ビニールの輪が体に食い込んだ魚など、人間の棄てたゴミによって命を奪われていく悲しい動物達の姿が次々と映し出された。魚や海鳥の小さな胃袋に詰まったたくさんのプラスチックの破片の画像には、誰もが顔をゆがめていた。「餌と間違えてプラスチックを食べるなんて…むごい」と…。海亀もクラゲと間違えて、ビニール袋を食べてしまうようだが、体重5キロの亀の胃袋に何と1キロものビニール袋が入っていたという話には会場全体からため息がもれていた。きっと胃にビニールを詰まらせて「満腹感を感じたまま餓死する」という「不思議な死に方」をした亀への複雑な思いを感じて…。
 クリーンアップ蒲生の伊藤実さんが、同会の活動の紹介や海洋ゴミの現状のお話とともにスライドやDVDの映像を交えながら参加者に海の生々しい様子を紹介してくれた。軽妙な口調で、時には冗談も交えながらのお話に、会場全体が引き込まれたが、伊藤さんの生々しい証言には、誰もが驚きを隠せない様子だった。
 
 後半部には、講演会としては珍しく、参加者のための実技が用意された。蒲生海岸から直送したゴミを大きなシート一面に広げて、来場の子ども達を中心に海のゴミの調査の仕方について、実地指導が行われたのだ。それにしても、プラスチックや発泡スチロールの多いこと。動物には餌と間違えても仕方がないものばかりである。小学生から高校生まで、夢中になって拾ったゴミを種類ごとに数えて記録したが、実際の海岸でどれだけおびただしいゴミがあるのかを想像しただけで誰もが気が遠くなりそうな思いをしたことだろう。
 講演会の結びに、1年生の男の子を連れたお母さんが「ビデオで韓国の方が話していたように、自分たちがやった(海にゴミを捨てた)責任を自分たちで償うという気持ちになった」と感想を述べた。続いて、年配の男性から、今はまだクリーンアップ活動に取り組む人たちが少数であることに対する想いであろうが、「もっと、早く(大勢で)やらないと追いつかないのではないか?」と危機感をにじませた。
 来場者のほとんどが、「来てよかった」と手を挙げてくれた。海の生き物がこんなに大変な目に遭っているのを今まで知らなかったのだ。
 クリーンアップ蒲生の伊藤さんと同行してくれたメンバーの皆さんのおかげで、気仙沼のみんなの気持ちは蒲生の皆さん、いや、全世界のクリーンアップに取り組むみんなとつながった。いずれ、気仙沼地区のクリーンアップ活動も動き出す日は遠くないと感じた。

もどる

トップページへもどる