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第8回環境市民講座 「旅学〜カナダから地域の環境まで〜」レポート
日時 2006年2月27日(火)13:30〜15:15
会場 みやぎ生協古川南店2階集会室(古川市)
講師 あん・まくどなるど氏(県立宮城大学特任助教授)
参加人数 67名
Report/清水 智子
 2月27日(月)、第8回MELON環境市民講座が、みやぎ生協古川南店を会場に67名の参加で開催されました。講師は、県立宮城大学特任助教授のあん・まくどなるどさん。
 日本国中を3回以上も旅しているというあんさんに、出身地のカナダから現在お住いの松山町まで旅を通して感じていることを写真を交えて伺いました。
 「私はカナダのマニトバ州で生まれました。今、私が一番悲しい事、それは、カナダ政府が『京都議定書』から離脱したことです。カナダ国民としてとてもはずかしく思っています。そして政治と市民活動のズレを感じています」と、あいさつの中で話されました。
 高校、大学時代に日本へ留学し、その後日本での農村暮らしを経て、海外、日本の農山漁村を体験取材して歩くフィールドワーカーのあんさん。あんさんの旅の視点は、「テイストジャパン−日本の風土、風景、文化、歴史の全てを味わうこと」にあると言います。人はいつもいる所から離れて、違う角度から見ることが必要、外に行って始めて気づく事があるのです。″カナダのミナマタ病問題″もそんな旅の中で知ったことでした。
オンタリオ州南西部に住む先住民オジブワ族、川や湖の水を使って生活していた人びとが、製紙会社がたれ流した水銀によって有機水銀中毒、ミナマタ病におかされたのです。カナダ政府は水・魚の水銀汚染は認めたものの、ミナマタ病については公式に認定しなかったし、今もしていないのです。あんさんは、5年間に11回の現地調査(追跡調査、面接調査)を試み、その結果の一部を「カナダの元祖・森人たち」として発表しました。それについて、「補償による和解はされているもののこれで終っていいのでしょうか。カナダの森のなかには今なお病気で苦しんでいる先住民たちがいます。環境問題は長い期間のプロジェクトが必要、今後も現地調査を続けていきます。」と語っています。
 
 また、農村だけでなく、漁村のフィールドワークを北海道から沖縄まで日本一周しようとしているあんさん。「わたしは海人(うみびと)の『追っかけ』海人大好き人間です。山の森が荒れていると海も汚れてきます、とにかく『水』を大事にすること。自然と共生しながら、もくもくと過ごしている人びとに心魅かれます。日本にはいろんな文化、いろんな顔があります『もっと新しい日本の顔に出会いたい』それが私の『旅学』なのかも知れません。」最後に、あんさんは松山町を、「ここで暮らしていることを幸せに思います。農村研究の基地、酒米研究会、そしてそこにある田んぼがアートそのものです。」と語ってくださいました。

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