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第8回MELON環境市民講座
「ちょっと気になる木のおはなし」

 「森林をビジネスで、活動で、大切に・元気にしようと、がんばっている方々のお話を聞いてみよう」と企業&環境プロジェクトが企画し「ちょっと気になる木のおはなし」を開催しました。
 会場は「実際に木材に触れられるところを会場に!!」と宮城木材文化ホールにしたところ、市街地から離れているにもかかわらず定員の50名を大きく上回る来場があり、「木」に対する関心の高さが伺えました。
日時 2007/1/20(土)13:30〜15:30
会場 宮城木材文化ホール
参加人数 76名
講師 宮城県森林組合連合会代表理事専務
木村敏男氏

「健全な森林がなぜ必要なのか、健全な森林を次の世代に残すために私たちには何ができるのか?」

 その疑問に答えるべく、MELONの副理事長でもある宮城県森林組合連合会代表理事専務の木村敏男氏が「これからの森づくり」と題してご講演くださいました。

 「現在戦後植林した人工林の早いものは50年生に達し利用が可能です。しかし材価が安く収入がほとんど見込めないので、森林所有者の多くは手入れをせず放棄してしまっています。次の世代にまで健全な森林を残していくためには、今から間伐等の保育管理をしっかり行っていくことが重要なので、その対策のための組織と人づくりを急がなければなりません。」

 森林が木村氏のやさしい語り口とは対照的に過渡期にあることを知り、参加者からは「日本の林業が厳しい状況に追い込まれていること、山が荒れていることがわかった」「森林整備や国産材利用の必要性を再認識した。林業振興の重要性を痛感した」など、真摯な意見をたくさんいただきました。また「『森』の現状について『基本』から学ぶことのできた」と大変好評でした。

 締めくくりには、川畑健二郎著「本当にこのままでいいの?」の一節をご紹介いただきました。
川畑健二郎著 本当にこのままでいいの?より抜粋
 森林は光合成によって炭酸ガスを吸収し、地球の温暖化を抑制し、雨水を蓄えてダムの働きをし、私共に良好な飲料水や食料などを供給し、また動植物へ住処を提供するなどして、地球上で暮らしているすべての生き物の営みに、まるで母親のように深い愛情を注いでいる。    
 
 事例紹介では、小野妙子氏(NPO法人エコメディアファンデーション)から「割りばしで日本の森を守ろう」と国産の間伐材で作る割りばしの普及啓発のため、国産の間伐材と中国産の価格差をはし袋の企業広告費で埋めて販売する活動を、市瀬慎太郎氏(株式会社市瀬)から健全な森林を守るため森を守る費用を紙に上乗せして販売し、ビジネスモデルとして注目を集めている『3.9ペーパーシステム』を、大沼毅彦氏(株式会社サカモト)からは国産材にこだわった住宅造りと合わせて森作りの普及啓発にも力を入れている活動をそれぞれご紹介いただきました。
 どの事例も先駆的な取り組みで、参加者からどの事例も「新鮮だった」「国産材活用のためさまざまな取り組みが紹介されて勉強になった」と感想がありました。

 「木・森」は私たちのくらしに密接に関わる大切なテーマです。その豊かな恩恵を次の世代の子ども達が享受できるよう、まずは多くの恵を与えてくれている「森」に関心をもつトコロからはじめていただけたらと思います。

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