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第4回MELON環境市民講座「あきらめない」

日時 2007/9/22(土)14:00〜17:00
会場 東松島コミュニティーセンター
参加人数 118名
講師 中里尚雄氏(海洋冒険家、プロウインドサーファー)
主催 矢本実行委員会、MELON、地球とともに

Report 武藤北斗(地球とともに)
 仙台駅からローカル線で1時間。東松島市での講演会に100人を超える人達が集まりました。学生が半分を占め、熱気ムンムンの会場に50代・60代の皆さんも続々と到着。講師・参加者・スタッフみんなで作り上げた講演会はそれぞれの心に大切な思いを刻まれたのではないでしょうか。
 会場に到着するなり、高校生の元気のいい挨拶に講師の中里さんも一気にテンションが上がったようです。隣にいた私もなんだか背筋がピンと伸びました。講演会は講師紹介のVTRから一気に盛り上がりを見せました。数々の輝かしい栄光と挫折・怪我を乗り越えた半生が写真と映像で紹介され、合わせた音楽におもわず鳥肌がたちました。参加の皆さんも同じ気持ちだったようで、入場時にはスタッフが考えていたよりも早く、自然に参加者からあふれる拍手が沸きあがりました。

 やはり生の声を聞くことで多くのことが伝わります。書籍や映像では伝わりにくい、間や細かな動き。そして会場と一体化した時、溢れる思いが伝わってきます。何度も挫折と成功を繰り返してきた自分の体験を通し、ありのままを話してくれました。成功に関して得意に話す人は多いですが、影の部分をさらけ出していくのには勇気がいることと思います。そして、その影の部分をプラスに変えていく精神力や行動力を私たちに教えてくれました。多くの参加者が「一歩を踏み出すことの大切さ」を改めて考え直したのではないでしょうか。目標を定め、それに向かって懸命に進む姿。これは子供も大人も関係ない。ましてや性別などが問題になるはずもありません。学生さんはもちろん、年配の皆さんも大きな力をもらったようです。

 一度目の挫折は競争社会への重圧が原因とのこと。しかし、ここも逆転の発想で見事に復帰。「負けて当たりまえ」そう言いきっていた中里さんですが、あきらめず、努力してきたからこその一言。復帰に向けての過酷なトレーニングは精神と肉体を研ぎ澄まし、見事復活。そしてまたもや栄光のあとの挫折。交通事故・・・。骨盤が砕け、歩ける確率50%。今でも体にはボルトが埋め込まれているそうです。「ボトルキープならぬ、ボルトキープ」なんて笑っていましたが。事故からのリハビリ生活は想像を絶するものがあり、人間の限界を超越しています。本人の口から、写真を織り交ぜての当時のお話。モルヒネを自分で打つことを許可されている程の激痛・・・。しかし、それでもウィンドサーフィンだけは諦めなかった。歩くことさえ困難と言われているのも関わらず、彼の目標はプロ復帰。夢を夢で終らせない為の努力は日ごとに厳しくなり、お医者さんの予想をはるかに上回る回復を見せました。スライドの一枚の写真は私に勇気をくれました。まともに歩くこともできない彼が芝生にサーフボードを置き、それに向かって歩く。まさに自分の夢に向かってのリハビリで、同時にその思いも感じることができました。
  また、随所に海・自然への尊敬と感謝の気持ちが語られ、参加者の中にはサーフィンをされている方や自然と関わる暮らしをしている方が多数詰め掛けており、多くの共感をよんでいました。
 最後に会場の皆さん一人一人と目を合わせ、思いを通わせました(フェイスtoフェイス)。会場と一体となった時に行うようです。時間の関係で無理に止めてしまった質疑応答が悔やまれますが、きっと皆の溢れる思いは時間がいくらあっても足りなかったことでしょう。海洋冒険前の多忙な時期に沖縄から来て頂いた中里さんに感謝。強力なスタッフに感謝。真剣に聞いてくれた参加者に感謝。そして、私達が住む地球、自然に感謝したいと思います。

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