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サイドイベント「低炭素アジア:ビジョンと実践」(2009年12月10日)
「一村一品運動(One Village One Action)Campaign――全国的な温暖化防止活動について」
日本語訳(原文は英語)
 今日は、日本の温暖化対策についてお話する機会をいただき大変うれしく思います。とくに大木浩さんのすぐあとというのは光栄です。大木さんは、ご存じのとおり、COP3、京都会議の折の議長です。大木さんを、京都議定書の父とお呼びしたい。この会議の議長のコニーさんを、コペンハーゲン合意、可能だったらコペンハーゲン議定書の母と呼ぶことができたら、と思います。

 話を一村一品運動、英語での「ワン・ビレッジ、ワン・アクション」に焦点を絞ります。2007年から環境省主催で始まりました。私は、この運動の全国大会と、私が住んでいる宮城県大会双方の実行委員会の委員長を3年間務めてきました。ですから、この運動の父と呼んでもらえるかも知れません。どういう大会にするか、組織の仕方、全国大会の持ち方を、ときには環境省と論争しながら、本当にコミットし議論してきました。
大木浩JCCCA代表と長谷川公一理事長
 一村一品運動は、都道府県大会と全国大会の2つからなります。日本には47都道府県があります。各県で県大会があります。東京から300km離れた宮城県の場合には、「エコdeスマイルコンテスト」と呼んでいます。いろいろな人たちやグループが参加を申し込んで、取組を報告しています。幼稚園児も小学生も、中学生も高校生、大学生もです。企業もスーパー・マーケットも、お店も、農家も、自治体もです。温泉旅館も参加しています。もちろんNGO、市民グループ、主婦、家庭もです。あらゆるカテゴリーの人たちが参加し、取組をプレゼンテーションしています。とても積極的で、創造的で、エキサイティングです。最初の年は61件、次の年は67件、今年は76件の応募がありました。全国では、最初の年は1074件、次の年は1130件、今年は1392件の応募がありました。

 各県の最優秀の取組は全国大会に招待されます。第3回の全国大会は、来年2月に東京で開かれます。1年目と2年目の全国の優秀な取組に関するデータと各県代表のリストを用意しました。その机の上から取ってください。初年度に環境大臣賞を受賞したのは、京都府の高校生です。彼らは地元の木を使おう、フードマイレージのように、ウッドマイレージという考え方で、輸送にともなう二酸化炭素を削減しようと訴えました。金賞は小規模な発電用水車、富士山の近くの都留市の取組です。二年目の環境大臣賞受賞者も、京都議定書の生まれた京都の中学生でした。彼らは地元の木を使った、薪ストーブを使っています。金賞は雪を利用した新潟県の取組でした。

 この運動の目的を説明します。この運動は、環境教育と地域への働きかけのいい手段だと確信しています。意識高揚です。どの村でも、どの学校でも、どのオフィスでも活動することを奨励しています。見えるようにしているのです。どうすべきか、どうつながりをつくるか、省エネや節電のしかた、二酸化炭素の削減のしかたを学ぶことができます。

 結果はどうでしょうか。とても楽しいです。気候変動問題は、この会議のように、いつもシリアスです。だからこそ、楽しい、喜びがあるということが非常に重要です。県代表に選ばれると、自信が出て、誇らしくなります。代表に選ばれたその日から、どの県代表も、自分の県で広く知られるようになります。全国大会の受賞者、環境大臣賞、金賞、銀賞、銅賞の受賞者は、全国で知られるようになります。活動内容やムダを省くやり方が全国に普及するのです。

 どうぞ、この運動の考え方をみなさんの国に、みなさんの地域に持ち帰ってください。とても簡単で、お金もそんなにかかりません。こんなコンテストをみなさん流のスタイルで、独自の工夫でやってください。本当のソフトなCDMだと思います。ありがとうございました。
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