SDGs環境出前講話

2021年度にリニューアルしたSDGs環境出前講話ですが、毎年、6月頃に各教育委員会をとおして宮城県内の小中学校、高校に案内のチラシを配布しています。 2021年度は30校、2022年度は40校を募集しましたが、SDGsに関連した講話であり、費用が無料ということで、あっという間に定数に達してしまいました。 「キリバス編」、「南極編」、「気候変動編」の3種類の講話を用意しています。「気候変動編」の場合は、学校の要望に応えて、再生可能エネルギーや食品ロス、海洋ごみなどにも対応可能となっております。

1.講話の内容と講師紹介

① キリバス編「国がなくなる?キリバス共和国と地球温暖化」

中央太平洋に位置し、世界で一番はやく太陽が昇る国、キリバス共和国。どこまでも続く青い空と美しい海。時間はゆっくりと流れ、そこに住む人たちはおおらかで、ゆったりのんびり生活しています。
平和で何も悩みがないようなキリバス人が、今、とても心配している問題があります。それは、「国がなくなるかもしれない?」ということです。いったい、どういうことなのでしょうか。
初めて日本人からキリバス人となったケンタロ・オノさんが、キリバスの生活や文化、そして、地球温暖化、SDGsについてお話します。受講者の心に響き、地球温暖化を自分事として捉えさせることにつながる講話となっております。

主な目標
講師 ケンタロ・オノ氏
(一般社団法人日本キリバス協会代表理事)
(前キリバス共和国名誉領事・大使顧問)
内容 キリバスの生活や文化、地球温暖化による影響や将来予測、SDGsについて
時間 対面型講話90分(60分にも調整可)  *英語による講話も可能です。
費用 無料(MELONが負担します)
賞歴 令和元年度 宮城県ストップ温暖化大賞受賞 
令和2年度 気候変動アクション環境大臣表彰受賞

② 南極編「南極ってどんなところ?」

講師は第49次日本南極地域観測隊員の石井洋子さんです。ほとんどの人が行ったことのない南極の自然や動物、観測隊の生活、環境保全などをお話します。受講者は南極の美しい映像にひき込まれ、自然環境を守る大切さに気付いていく講話となっております。

主な目標
講師 石井洋子氏
(第49次日本南極地域観測隊員)(元・気象庁職員、南三陸町在住)
内容 南極の様子、観測隊の生活、気候など
時間 対面型講話90分(60分にも調整可)
費用 無料(MELONが負担します)

③ 気候変動編

宮城県地球温暖化防止活動推進員やMELONのスタッフなどが講師として、気候変動の原因や影響、将来予測、具体的な対策などについてお話します。気候変動以外にも、再生可能エネルギーや食品ロス、海洋ごみなど、学校の要望に対応可能です。

主な目標
講師 宮城県地球温暖化防止活動推進員、MELONのスタッフなど
内容 気候変動の原因や影響、将来、対策など  その他、再生可能エネルギーや食品ロス、海洋ごみなど
時間 対面型講話45~90分 *体験型も可
費用 無料(MELONが負担します)

2.アンケートの結果と感想

事後アンケートの結果

SDGs環境出前講話・キリバス編の2021年度の事後アンケート集計結果は、以下のとおりです。
『関心を持ったこと』は講話の主要な内容である気候変動が一番多く、キリバスの生活や文化、キリバスの問題という順でした。「沈みかけている国」という一言で済まされるのでなく、そこに暮らしている人たちの生活と文化が伝わったといえます。SDGsや取り組みについては、講話の学習に委ねられます。

関心を持ったこと

『行動したいこと』については、「伝える」、「調べる」、「対策」という順でした。
講話を聞いた中学2年生の生徒が内容を親に熱く語ったという保護者からの手紙がありました。コロナ禍に苦しむキリバスの人たちにマスク等を送るための募金活動に取り組んだ小学校、中学校もありました。行動につながっている実感がありました。

行動したいこと

感想より
小学4年生~キリバス編
小学5年生~キリバス編
小学6年生~南極編
小学6年生~食品ロス編
小学6年生~海洋ごみ編
中学2年生~気候変動編
高校3年生~キリバス編
専門学校1年生~キリバス編

3.実施校数および参加人数等

募集校・実施校・参加人数の推移

MELONでは、以前から宮城県地球温暖化防災活動推進員の方々やスタッフなどが講師となり、環境に関する出前講座を行ってきました。どちらかというと一般市民向けの講座が主流であり、学校での実施はあまり多くありませんでした。
2016年度に、「環境出前講話~キリバス編」を企画してチラシを宮城県内の小中学校、高校に配布したところ、応募多数で10校の予定が21校での実施となりました。その後、「気象予報編」や「海洋ごみ編」なども加えながら、年間20校前後の学校で講話を実施してきました。
2021年度からは「SDGs環境出前講話」としてリニューアルし、募集校を増やしました。学習指導要領前文の中に「児童が持続可能な社会の創り手となること」の一文が明記され、教科書にSDGsの内容が入ってきたこともあり、2021年度は30校、2022年度は40校を募集したところ、たちまち定数に達しました。しかし、2020、2021年度は、コロナ禍のためにオンラインでの実施や中止になってしまう場合もありました。

募集校・実施校・参加人数の推移
年度 内容 募集校 実施校 参加人数
2016 出前講話~キリバス編 10校 21校 約4,000名
2017 出前講話~キリバス編 20校 20校 約2,000名
2018 出前講話~キリバス編、その他 15校 15校 約1,500名
2019 出前講話~キリバス編、気象予報編 17校 14校 約1,700名
2020 出前講話~キリバス編、海洋ごみ編、南極編 15校 18校 約1,600名
2021 SDGs環境出前講話~キリバス編、南極編、気候変動編 30校 27校 約2,200名
2022 SDGs環境出前講話~キリバス編、南極編、気候変動編 40校 41校 約3,900名
147校 156校 約16,900名

学校別の実施状況の推移

学校別に見ると、小学校が一番多く、中学校、高校の順となっています。その他は、チラシを配布していないところからの直接の申込みであり、大学や専門学校、社会学級などです。
講話は小学校4年生以上を対象としていますが、小学校1~3年生が参加する場合もありました。小学校は学年単位での実施が多かったですが、中学校や高校では、全校生徒が参加する講演会形式での実施もありました。
2021~2022年度で行っている三つの講話別にみると、「キリバス編」と「南極編」はともに講師の方の体験を基にしているので、大人数の講演会にも対応しています。「気候変動編」の場合は、Web教材を使用したり海洋ごみを触ったりするような活動が含まれているため、主にクラス単位での実施となりました。

学校別の実施状況の推移
年度 小学校 中学校 高校
2016 10校 4校 6校 1校 21校
2017 12校 3校 2校 3校 20校
2018 9校 4校 2校 0校 15校
2019 9校 2校 3校 0校 14校
2020 12校 1校 3校 2校 18校
2021 21校 3校 2校 1校 27校
2022 30校 6校 4校 1校 41校
103校 23校 22校 8校 156校

地域別の実施状況

地域別の実施状況は以下のとおりです。仙台市が最多ですが、北は栗原市、南は丸森町と県内のあちこちで実施してきました。
初めての学校もあれば、2年連続で実施する学校もありました。中には、5年連続で実施の学校もあります。出前講話が学校や学年のカリキュラムの中に位置付けられるようになった成果といえます。

地域別の実施状況(2016~2022年度の延べ学校数)

お問い合わせ

公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)
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