「ごみのゆくえを見てみよう!」
日 時:2019年11月22日(金)9:30~15:10
見学先:①松森工場(泉区松森字城前135)
②南蒲生浄化センター(宮城野区蒲生八郎兵工谷地第二)
参加者:21名
自分たちが毎日出しているごみ。台所や洗面所、トイレで流す水。
それがどこでどんなふうに処理をされているのでしょうか。
処理の現場を実際に見て、ごみを減らす大切さを肌で感じてきました!
最初の見学先は「松森工場」です。
2005年に開設。3炉あり、一日の処理能力は600トン。
収集車が集めてきたごみをごみピット(集めたごみをためておくところ)に出している様子を見学しました。
その後、ごみクレーンでピット内にためたごみを焼却炉へ投入している現場を見学!
ごみの投入は30分に1回程度。その間クレーンは、ピット内のごみを撹拌し、均等に燃えるよう常に動いていました。
10月の台風19号の影響で稲わらが大量に持ち込まれ、稲わらの発酵が進みすぎないよう、撹拌に気を付けているそうです。
クレーンの大きさを体感!
最大で8トンもつかめるそうです。
焼却炉の様子は、中央管制室モニターで見せてもらいました。黄色く見えるモニターが焼却の様子。
普段は2炉稼働しています。高温処理するため、炉を休ませる必要がそうです。
発生した熱を電力に変え、工場内の電力を補ったり、売電しています。
仙台市民が1週間で出すごみの量を視覚的に実感!向かって左から、
家庭ごみ
プラスチック製容器包装
ビン・缶・ペットボトル
紙類
仙台市の小学4年生は、ごみ処理施設の見学が授業として組み込まれていて、最新の松森工場の見学は人気とのこと。 子どもたちが3Rに関心をもってもらえるよう、工場内には様々な工夫がありました。
未来を担う子どもたちが幼いうちから環境のことについて考える機会があるのはとても素晴らしいと感じました。
次は「南蒲生浄化センター」です。東北で最大の下水処理場。
下水の浄化は、
①下水をゆっくり流して汚れを沈ませる物理的処理
②微生物に水中の汚れを食べさせて分解してもらう生物処理
③きれいになった上澄みを消毒して放流
という流れです。
この浄化センターでは、仙台市の約7割の下水を浄化しており、七北田川と同じ水量の約30万トンの下水を処理しているそうです。
仙台市内中心部から流された下水は約2時間ほどで浄化センターに到着。
それから約8時間かけて浄化し、太平洋に放流されます。
びっくりしたのは、下水処理にかかる電気代!
なんと、毎月5千万円、年間6億円かかっているそうです!
微生物の活動を活発にするためタンクに酸素を送ったり、汚泥の焼却処理に電力がかかっているとのこと。
下水処理の負担を少しでも減らすために市民一人ひとりができることはなんでしょうか?と質問すると、
「トイレットペーパーの無駄遣いをしないこと、台所などで油をなるだけ流さないこと」
と教えてもらいました。
なるほど、そういえばそう教えられて育ったな。。。
油は沈殿させて処理することができず、微生物の力で処理してもらいますが、油分が多いと浄化に時間がかかるとのこと。
油汚れをウエスなどで拭き取ることの大切さをしみじみと感じました。
太平洋から約200メートルの距離にある浄化センターでは、東日本大震災で壊滅的な被害を受けたそうです。
その折の記録映像と震災遺構も見てきました。
当時の職員は全員無事避難できたそうですが、津波の破壊力は凄まじく、下水処理がストップしたそうです。
しかし、仙台市内では水道がとまっていないところもあったため、使用された水が下水として流れてくる。 でも下水処理ができない。このままでは市内の下水管が溢れて大変なことになる。
それをなんとかすべく、放流できるように人力でゲートを開けたそうです。
「ライフライン」と聞くと、電気、ガス、水道をイメージしますが、水道の先には下水処理もあってこそ快適な生活ができていることを実感しました。
自分たちの生活がどのような仕組みで支えられているのかを知ることで、生活習慣を変えていくことができる。
環境を守る、大切にするということは、一人ひとりにかかっていることを改めて感じた見学会でした。
参加してくださった皆さま、ありがとうございました!
今日見聞きしてきたことを身近な人に伝え、実践してゆきたいですね。
MELONでももっとたくさんの方に呼びかけていきたいと思います。
(情報センター:高橋)