2019年台風19号で大きな被害を受けた丸森町。今どのような状況なのか、役場近辺を中心に、宮城県地球温暖化防止活動推進員(以下、推進員)と取材に行ってきました。
■取材日程:2020年9月7日(月)
■取材場所:丸森町森林組合 → 伊具高等学校近辺(新川沿い) → 丸森町不動尊公園近辺(内川沿い) → いなか道の駅やしまや(阿武隈川沿い) → 株式会社石塚養蜂園
■取材メンバー:篠原富雄推進員、三浦明美事務局員、高橋民子事務局員
JR槻木駅から阿武隈急行で丸森町へ!
丸森町森林組合にて代表理事であり組合長の作間淳一さん(写真中央)よりお話を伺いました。
町役場の周りは2019年台風19号の影響で大きく水没しましたが、森林組合の周りは水没を免れたそうです。地図を見ながら台風被害当時と現在の状況を説明していただきました。
作間さんから、伊具高等学校近辺の家はまだ泥が入ったままだというお話を伺ったため、近くまで行ってみました。
伊具高等学校近辺には新川が流れており、土砂を片づける作業中。東日本大震災の時は海からのヘドロが流れ込んできたため悪臭がひどかったそうですが、丸森町は山砂だからあまり臭いはひどくなかったとのことです。
その後、町役場から南に移動して不動尊公園へ。水源豊かな美しい佇まいで、一見すると水害の痛手を感じさせませんでした。
しかし橋の赤い欄干から川をのぞき見ると、流木がぶつかった跡が残っており、かなりの高さまで水かさが増したことが今でも見て取れます。
次は、丸森町でも西側エリアである耕野(こうや)に移動しました。石塚養蜂園の石塚さんの取材にあたり、「いなか道の駅やしまや」で待ち合わせ。
やしまやには、2019年台風19号の影響で1階が水没した時の写真が店内に貼られていました。
やしまやの入り口に、浸水した時の水の高さがテープで貼ってありました。人の頭の高さくらいまで浸水したことがわかります。
やしまやの入り口からすぐ出たところ。 駐車場の向こう側に橋があり、その下には阿武隈川。 この目の前が全て水没したことになります。 話には聞いていましたが、実際行ってみると信じられない心地がしました。まるでダムの中に水没したような状況でした。
やしまやの目の前を流れている阿武隈川。 今は悠々と穏やかに流れていますが、この欄干を越えて辺り一帯が水没したとはなかなか想像できませんでした。
そして石塚養蜂園に移動。代表取締役の石塚武夫さんには、MELONの情報紙に寄稿してもらったり、大人の食育講座仙臺農塾の講師をしていただいたことがあったご縁で寄らせてもらいました。
春は主に木に咲く花から蜜を採取するそうですが、夏から秋にかけては川沿いの草花から蜜がとれるそうです。台風19号の影響についてお伺いすると、川沿いに置いていた巣箱が流されてしまったとのこと。
石塚さんのはちみつを試食させていただきました。「そば」は色が濃く個性的な味のため、一般の店舗では販売していないそうです。生クリームと相性が良いとのこと。私はさわやかな風味の「かき(柿)」が気に入りました。ちなみに、試食用のビンのふたはすぐ開けやすいようにミツロウラップが。。。さすがです!
消費者に知ってもらいたいことはなんですか?と伺うと、はちみつは結晶化するものなので、古くなったり傷んだわけではないことを理解してほしいとのことでした。また蜜の種類によって成分が変わるため、結晶化の速度も違うそうです。
なるほど!今までとんだ勘違いをしていたことに気づきました。純粋なはちみつは純度が高いため、物質としても安定していて腐ったりしないそうです(ぺろっとなめたスプーンを入れてしまったら、それはさすがにだめだそうですよ)。
最後に石塚養蜂園の前で記念撮影。向かって左が石塚さん、右が推進員の篠原さん 。奥の六角形の窓は、すりガラスになっていて蜂が描かれていました。
今回は丸森町の北部しか移動していないのに、丸森町は広い!とつくづく思いました。
台風19号から約1年。生活道路は確保されつつあるそうですが、山には重機を持って行けず、通行止めの道路がとても多いそうです。一刻も早い復興を願いつつ、丸森町で今を生きる皆さんの姿に照らされてきました。
事務局:高橋