水部会で10月24日(土)に加美町に水の神さま調査にいってきました。
地元のNPO 石母田ふる里保全会 副理事長 渡邊 哲さんに加美の水文化を
ご案内していただきました。
初めは、 「セミッ渕」 と呼ばれる場所を訪れました。ここは鳴瀬川の
川幅がこの近域で最も狭い場所であるところから、そう呼ばれてきたそう
です。
かつては、この 「セミッ渕」 から取水していたため、「蝉堰」という
堰の名になったそうです。
ずっしりと重い金属の取水口を開けるハンドルを持ち、川まで下りていくと、
昔の取水口であった「木戸口」がありました。
ハンドルを設置して入水口を開けて、トンネル水路を探検しました。
外には、江戸時代から変わらない姿で鎮座する「大石」がありました。
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次に名産の小瀬菜大根の畑を側を通りつつ、用水路を見学。
「小瀬菜大根」は、全国で唯一“葉だけを食べる”地だいこんで、
江戸時代から加美町小野田小瀬屋敷に伝わる貴重な品種です。
櫓を組んで提灯測量を行ったことに由来している「矢倉」という土地を
通り、 台崎縁切地蔵尊を訪れました。ここには蝉堰工事の頭梁であった
海老田新蔵人𠮷安の次男、喜七郎が眠っています。蝉堰の工事は困難を
極め、ついには喜七郎少年が人柱に立って犠牲となりました。
ここを 訪れると長年治らなかった病と縁が切れたりするとのことで、
この名前となっているそうです。毎年、盛大に供養祭典が行われている
とのことです。
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まちづくりセンター(どどんこ館)に立ち寄り、渡邊さんから貴重なまち
の歴史などのお話を伺い、地元の伝承の紙芝居を水部会メンバーが演じて
くれました。地元を伝える紙芝居、大切につないでいってしていってほしい
ですね。
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最後は洞雲寺を訪れました。ここには海老田新蔵人𠮷安のお墓があり、
それは、蝉堰と喜七郎少年の眠る台崎縁切地蔵尊の方角を向いていました。
【事務局 山形】