【訪問情報】
■訪問日:2021年10月27日(水)
■訪問先:宮城県森林組合連合会ウッドリサイクルセンター
■訪問者:MELON情報センター運営部員 石垣政裕、菊地淳、増田美鈴 事務局:山形裕昭 CSOラーニング生 原子大二朗
〜ウッドリサイクルにおける中間処理〜
今回は、産業廃棄物中間処理施設である宮城県森林組合連合会のウッドリサイクルセンターを訪れました。
環境に配慮したリサイクル製品を生むための中間処理施設で、産業廃棄物の破砕を行っています。中間処理施設としての作業について詳しいお話を宮城県森林組合連合会業務部の我妻剛さん、ウッドリサイクルセンター所長の櫻田友貴さん、資源活用課の大山舜さん、鎌田裕子さんにお伺いしました。
〜ウッドリサイクルセンターとは〜
宮城県と仙台市から産業廃棄物処分業許可をもらい、産業廃棄物の破砕作業を行っています。実際に現地に赴き、その場で産業廃棄物の破砕を行う移動式の中間処理と、運搬業者から施設まで運んでもらい、施設内の破砕機を使って処理を行う固定式の中間処理の2種類の処理があるそうです。我妻さんは『森林の未来を開拓する価値創造組織として、森林バイオマス資源の有効活用を推進し、循環型社会の構築を目指しております。』とおっしゃっていました。発電用の木質バイオマス生産の向上に努めておられ、中間処理された産業廃棄物はバイオマス燃料や堆肥燃料、マルチング材料として、生まれ変わっています。
施設ではロータリースクリーンを用いて、大きさごとにラージ、ミドル、スモールの3つに分けて、再利用に向けて選別作業を行っています。現在は職員3名、作業班4名の計7名で活動されています。
~ウッドリサイクルセンターの始まりから現在~
以前は伐採場所の周りに水をためて野焼きを行っていましたが、安全面の観点から禁止になりました。ウッドリサイクルセンターは野焼きが禁止となり、産業廃棄物をリサイクルしようということから始まったとのことです。
資源有効促進法の制定により、産業廃棄物の破砕を行い、平成13年に木炭製造施設として創業開始されました。木炭は主に土壌改良や床下調質などのために利用されていましたが、木炭需要が減少したため、炭の製造を廃止し、新たにバイオマス燃料の製造に着手されています。宅地造成や国道の開通、ソーラーパネルの設置などのために、産業廃棄物として木々が出てくるようになりました。リサイクルセンターでは創業当初から一貫して、リサイクルを続けており、宮城県における重要な存在として現在も活躍されています。
~バイオマス燃料について~
バイオマス燃料は再生可能エネルギーとして、注目を集めているエネルギーです。令和2年度のウッドリサイクルセンターで作業を行った木材の半分以上(54.32%)がバイオマス燃料になったそうです。このように注目されている発電用木質バイオマスの生産に努められ、施設も拡張され1000㎡を越え、生産拡大を図っています。
~処理について~
林地残材・松食い虫被害材・支障木の枝条・根などを受け入れています。木材によってはとても大きいサイズのものがあり、特に根っこの部分はクレーンで持ち上がらないほど重いものもでてきます。その際にはチェーンソーを使って、細かくしてから運んでいるそうです。施設では固定式の設備が整っているため、手間はかかるものも機械で細かくすることができますが、現場ではこのような苦労があるとのことでした。現在は産業廃棄物の増加に伴い、運搬業者から施設まで運んでもらい、施設内の破砕機を使って処理を行う固定式の中間処理の割合が多くなっているそうです。
~終わりに~
リサイクルを担う施設が木質バイオマスの生産に努めることで、今後、産業廃棄物処理などによって生まれる温暖化ガスの排出などの課題を軽減することができると感じました。いつの時代になっても必要な存在になるウッドリサイクルセンターのような施設が、環境配慮を行うことはとても重要で、今後様々な施設でも求められていくようになると感じました。
処理工程や木質バイオマスの生産などについて、実際に現場で見せていただきながら、丁寧に説明していただきました。普段当たり前にあるのにも関わらず、詳しく知らなかった産業廃棄物の処理について詳しく学ぶことができ、重要性を再認識しました。
ウッドリサイクルセンターの皆様、大変貴重なお話ありがとうございました。
CSOラーニング生 原子
■称 号:宮城県森林組合連合会ウッドリサイクルセンター
■事業内容: 産業廃棄物処理施設設置・産業廃棄物処分業
■設 立: 平成13年8月木炭製造施設として創業開始
■所 在 地 :〒981-3407 宮城県黒川郡大和町落合松坂銅山36-17
■WEBサイト http://www.miyamori.or.jp/recycle.html