今回は、宮城県地球温暖化防止活動推進員として活動されている稲田陽一さんより、最近問題になっているプラスチックごみについてご寄稿いただきました。
推進員さんと一緒に環境問題を学んで、温暖化防止に取り組みましょう!
「プラスチックの利用や分別を楽しみながら取り組める社会を目指そう!」
報道で魚や海鳥がポリ袋を餌と勘違いして食べたり、プラスチック製の網に絡まったりして死んでしまうというニュースをよく見るようになりました。
人間にとっては小さなゴミでも動物にとっては危険な存在。そこで今回は、プラスチックについて調べてみました。
プラスチックの歴史
当初、第二次世界大戦の軍事徴用の時、金属類が不足したため代用品としてプラスチックの需要が高まりました。
プラスチックが大量生産になったのは1960年代。大量生産後から60年ほどしか経っていません。プラスチックは安価さと利便性から日用品に浸透していきました。全世界のプラスチック生産量は1975年で5000万トン、2020年には3億6700万トンです。日本は生産量が世界第二位です。
プラスチック使用後は、ほとんどがゴミ扱いになっています。
リサイクル利用
2020年までに作られたプラスチックは83億トン。
63億トン廃棄物の内、 9% がリサイクル,12% が焼却,79% が埋め立てか海洋など自然環境に投棄されています。
プラゴミと呼ばず、貴重な「資源」や「宝」となるように考えたいものです。
リサイクル企業による『マテリアルリサイクル』、『ケミカルリサイクル』、『サーマルリサイクル』
①マテリアルリサイクルとは、廃棄プラスチックをそのまま原料にして新しい製品を作る技術のことです(例:ベンチ,フェンス,遊具など)。ペットボトルキャップはクリアファイルや名刺やボールペンなどに変わります。容器包装からは、『レジ袋,トレー,お菓子の袋,水切りネット,ゴミ袋,植木鉢』などが作られます。
②ケミカルリサイクルにより、廃棄プラスチックは原料,高炉還元剤,コークス炉化学原料,ガス,油などに作り変えられます。
③サーマルリサイクルにより、廃棄プラスチックはゴミ固形燃料として利用されます。
プラスチック海洋投棄による魚介類への影響
プラスチックに含まれる添加剤が溶出し魚介類の体内に吸収される可能性があります。その中には環境ホルモン(内分泌かく乱物質)が含まれます。
電化製品に使用される難燃剤(PBDEs)は、甲状腺ホルモンかく乱作用や神経毒性があると報告されています。
海に流出したプラスチックゴミは波や赤外線の影響でマイクロプラスチック(直径5㎜以下)に変化することで、食物連鎖を通して私たちの食品に入ってくる可能性があります。
廃棄プラスチックを減らす為に自分たちのできる事
1.ゴミは所定の場所時間に分別して出す
2.再生プラスチック製品を使用する
3.ゴミのポイ捨て不法投棄はしない
4.野外で出たゴミは持ち帰り処分する
5.河川敷や海岸の清掃活動に参加する
☆ プラスチックは私たちに恩恵を与えてくれる大切なもの
プラスチックを悪者扱いするのではなく、上手に利用し分別を楽しみながら取り組む社会が理想的ですよね。
身近なことから少しずつ環境美化運動に参加してはいかがでしょうか。
2022年2月2日
宮城県地球温暖化防止活動推進員 7期生 稲田陽一