MELONブログ

事務所の環境?!

みなさま、今年もよろしくお願いします!
年が明けたらオミクロン株が増えてきて、コロナ禍はまだ終息が見えませんね。

MELON事務局では、机の仕切りに取り付けるパーテーションとCO₂濃度計を新たに購入しました。手指消毒液や体温計、空気清浄機などは以前から用意していましたが、コロナ対策を追加した形です。

今回CO₂濃度計を設置してあらためてわかったことがあります。部屋のCO₂濃度は1日のうちでも激しく変動するのですね。
頭ではわかっていても、実際に数値で見て初めて納得した感じです。

1,000ppmを超えると換気を促す警告音が鳴るのですが、誰もいない夜には数値が下がり、朝、出勤したときには大体500ppm前後です。
それが、5~7人くらい事務所で仕事している日の午後は写真のような数値です。
ところが、インターン生やボランティアさんが来たり会議をしたりすると1,000ppmを超えてしまうときもあります。
その時は、換気扇を強にしたりサーキュレーターを強めにしたりしますが、根本的にはめ込み窓で窓を開けられないオフィスなので、換気にはちょっと苦労します。

CO₂濃度の数値だけで一喜一憂していても仕方ない部分もあるのですが、やはり何でも数値化できるとわかりやすいし、換気の大事さも実感できますね。
CO₂濃度計を見て、そんなことを考えた今日この頃でした。

【事務局・小林】

▲TOP

令和3年度第1回既存推進員研修の開催

12月11日(土)、令和3年度第1回既存推進員研修が仙台市の仙都会館で開催されました。コロナ禍で直接会うことができない状況が続いていたので、久しぶりの再会という感じです。今回の研修テーマは、環境学習プログラムの作成です。

はじめに、元教員で今はストップ温暖化センターみやぎのスタッフである亀崎から「環境学習プログラム作成のポイント」についての話です。持続可能な社会の創り手を育てること、学校現場の現状、学校と外部の連携、推進員さんへの期待、そして、プログラム作成のポイントなどを説明しました。

次に、学校で実践を行った推進員さんたちのグループであるコミュニケーターチームの佐藤俊彦さんから活動を紹介してもらいました。その後、メンバーの門間さんに、作成した学習プログラムを使って模擬授業をしてもらいました。タイトルは「食べ物が泣いている」で地球温暖化と食品ロスについてです。SDGs、食品ロスの量、発生するCO2、飢餓に苦しむ人たち、食べ物を捨てない取り組みなどを説明してもらい、途中、クイズもありました。その後の質疑応答では、「子どもたちからどんな質問が出たのか」など、次々と質問がありました。

休憩を挟み、環境学習のプログラム作成です。地球温暖化、食品ロス、エネルギー、海洋ごみなど、取り組みたいテーマを決めて、グループあるいは個人で作成に取り組んでもらいました。研修の時間内で完成させるのは困難ですので、そのプロセスを共有してもらいました。これをきっかけに、推進員さんが学校に出向いて環境学習の出前授業を行うことにより、持続可能な社会の創り手を育てることにつながっていくことを望みます。参加された皆様、お疲れ様でした。

▲TOP

MELON会員団体訪問記 第10弾 ゼロ村牧場パカラッチョ! !

【訪問情報】

■訪問日:2022年10月3日(月)
■訪問先:ゼロ村牧場パカラッチョ!!
■訪問者:
インタビュアー:MELON理事 石垣政裕、写真・文:MELON情報センター 早川昌子

 泉ヶ岳の麓に、馬も人ものびのびと暮らす牧場「ゼロ村牧場パカラッチョ!!」があります。隣には川が流れ、谷地になっている場所なので夏場でも日影ができ、馬にとって過ごしやすい環境です。乗馬だけではなく、馬のお世話体験や馬をとりまく動植物、馬の文化や歴史、馬糞たい肥を利用した畑での活動など、様々な学びの機会を創り出し、「馬とくらす」を実践されている、牧場長の平井崇昇さんと研修生の増田美鈴さんにお話を伺いました。

馬に寄り添うくらし

 まずは、増田さんと一緒に牧場を周りながら馬のことを教わります。
「馬小屋の掃除はしますが、夏は天井の蜘蛛の巣をあえてそのままにしています。アブなどの虫をとってくれるんです」と、蜘蛛の巣を指さしながら、増田さんは言います。
今の時期(10月上旬)は吸血タイプのアブがたくさんいて、小屋の外に出ている馬たちは、足で地面を蹴ってアブを追い払っていました。
 4頭いる馬たち(1頭はポニー)は、穏やかな性格、やんちゃな性格、人なつっこい性格といった具合に、それぞれに性格が異なります。
 乗馬がある日は馬に運動させるそうですが、取材に伺った月曜日は馬にとっては仕事がない休日。ひと通り牧場を案内して頂いた後は、ミーティングルームで牧場長の平井さんも合流です。

馬たちの性格を教えてくれる増田さん
馬小屋と天井の蜘蛛の巣

“持続可能”な馬とのくらし

 大学で観光を専攻していたという平井さんは、大規模な商業施設の例を挙げ、資本を投じて施設をつくり、その施設で資本回収しながら、さらに次の大きな投資するというサイクルに限界を感じたと言います。
 「もっと身の丈に合った方法はないのかと思い独立しました。“環境問題”には興味がありますが、この問題を問うとき、資本主義のカウンターカルチャーとして感応することに疑問を感じています。資本主義経済はよくできたシステムです。私たちは、資本主義によって発展したモータリゼーションやインターネットテクノロジーの恩恵を受けています。よってTwitterで過剰な環境破壊などを指摘するのは一つの眼差しとして大事なことだと思いますが、このテクノロジーを使いながらも批判に重点を置いた環境問題を問われても、どうも腑に落ちません。結果的に表裏一体になっていることが多々見受けられます。私は、テクノロジーを活用し『人類の生産活動を含めた生態系づくり』を各々が実践して、修正が必要であればアップデートを促す方が理にかなっていると思うのですが…。

 パカラッチョの具体的な事例をあげますと、うちには馬が4頭しかいません。『自動車は環境に悪い。馬は環境によい乗り物だ!』などと移動ツールを自動車から馬への移行を推奨して、子どもたちが馬に乗って、公道をガンガン走り回っていたら、結果的に馬をブラック企業の従業員なみの扱いをしていた。なんてことになったら本末転倒です。そこで、利用者を増やすにあたって、提案の仕方を変えました。開業当初は乗馬教室といった習い事でしたが、今年の春から、馬好きの子のための総合学習の塾へと切り替えたのです。プログラムは総合学習ですから『馬の歴史の勉強』を取りいれることにしました。教材はデジタル化しており、実際に取材に行ったところなどの動画編集にはスマホのアプリを活用しています。また『馬の為に人参を育てよう!(理科)』というプログラムを始めたのですが、作物に影響を与えた益虫害虫はGoogle検索で調べてみました。馬に乗るだけでなく座学や畑作業を入れることで馬の仕事を減らすことができました。あそこにいる馬たちをみて、ちょっと暇そうだな、と思われるかもしれません(笑)。試行錯誤の結果としてのんびりとした馬のいる風景を演出できています。」
今回の取材で、いくつかの事例を紹介したいと思います。

ミーティングルーム前で

 「ゼロ村牧場パカラッチョ!!」では、乗馬の機会を多くの人に提供することだけがミッションではありません。月謝制を基本とした運営スタイルで、天候で収入が左右されることで馬を中心にした様々なアクテビティを提供しています。
 増田さんによると、牧場長(平井さん)が馬の爪切りをしている様子を録画し、その過程を利用者が見られるように動画教材にしたりもしているそうです。

 ほかにも、実際に馬のお世話をしたり、馬糞たい肥を利用した畑で野菜の観察をしたり、収穫した野菜でピザをつくったり、利用者が馬をきっかけに乗馬以外の体験学習ができるようになっています。
 「もし、自分でこの土地を買っていたら、お金を回収するために、コンスタントな引馬などを行い、薄利多売になる可能性がありました。しかし建築工房零さんと一緒に事業をやることで、土地代に膨大なお金をかけずに、子どもたちの成長にエネルギーを注ぐことが可能になりました。
 建築廃材の活用の場にもなっています。カンナくずを集めてクッションみたいになったところにダイブするんです。木の香りと感触が味わえる。使わなくなったカンナくずや材木は火炊きの燃料になります」と平井さん。
 乗馬以外の体験や映像コンテンツなどの座学をとりいれることで、馬に過度な負担をかけない牧場運営を持続されています。

カンナくずの上でお茶会をする子どもたちの様子
ピザ釜

乗馬体験による価値と馬を起点に広がる価値

 「乗馬のいいところは、ものの5分で成功体験ができるところ。4~5歳くらいの小さな子どもだと最初は乗れない。それが、お姉ちゃんと乗る?と聞くと乗ってみる。最初は一歩だけ、次に三歩と、小さな子どもにとって馬はとても大きいですから、それに乗れたというのは大変な成功体験になります。そして、馬をつかった自己実現にいいんです。乗馬は、年齢問わず、障がいの有無によらず、誰でも馬に乗れるところが面白い」と平井さん。
 ボランティアさんが関わることで、障がい者への理解も深まるのだそうです。
また、増田さんは、将来、農業をやりたいとのこと。「ゼロ村牧場パカラッチョ!!」は、利用者だけでなく、スタッフにとっても、ここでしかできないことに挑戦できる場になっています。
 「女性一人で農業を始めるというと、力が必要だったり機械を操作したりとハードルが高かったんです。そんな時パカラッチョの募集を見て、小さな畑を活用してそこで子どもたちと農作業ができるかもしれないと聞き、やってみたいと思いました。」と増田さん。
 例えば、小松菜をつくって虫がついたら収穫量が減り、売り上げも減ります。野菜そのものの販売だけでは難しいですが、小松菜を食べた虫が何という虫で、その虫を捕食する生き物は何か?と興味がわきそうなところから学習素材に変換することで授業料が畑の収入になります。小さなファームでも経営できるのではないかと考えています。」と平井さん。

Pacaファームで馬を放牧する様子
増田さんは動画やスライドの教材もつくっています

教育的なとりくみ

 「教育面においては、AIではできない価値づくりが必要になってくるのではないかと思います。インターネットで調べればでてくることは、学校で学ぶ価値は少ないのでは?と思っています。例えば、僕たちの時代は歴史を勉強するときに1192(いいくに)つくろう鎌倉幕府なんて、テストの点数稼ぎのために覚えましたけど、簡単にアクセスできるネット環境が脳の一部だと思えば、記号や年号を覚えることに価値が減っていて、学習の本来の要素である本人が興味を持って『鎌倉幕府はどんな幕府だったのか?』を学習することが大事なんだと思います。」
 学びについては、まずは、自分たちが(興味を持って)やってみようということで、なぜ、八木山動物公園に対州馬がいるのかを調べているという平井さんと増田さん。
 他にも、馬から始まるということで、松尾芭蕉の「蚤虱(のみしらみ) 馬の尿(ばり)する 枕もと」という句に興味を持ち、この句の詠まれた旧有路家住宅(封人の家)を訪れてみて、芭蕉はどこに寝たんだろう、馬との位置関係はどうだったんだろう、と想像を膨らませながら録画して動画にしたりもしています。

 地固めの時期が過ぎ、馬をきっかけとした能動的な学びの場、サポート体制の整備など、次のステージに進み始めたゼロ村牧場パカラッチョ!!。
泉ヶ岳の麓にある牧場には、循環、学び、持続可能な発展のヒントがたくさん詰まっていました。

馬のほかにヤギが2匹
ドラム缶で川の水を沸かしてお湯を貯めれば露天風呂に
総合学習「馬とくらす」乗馬の様子
全景

■称  号:ゼロ村牧場パカラッチョ!!
■事業内容:乗馬や馬のことを学ぶ体験プログラムの企画運営(馬とくらす、PACAファーム、PACAサロンほか)
■設  立: 平成27年6月18日
■所 在 地 :〒981-3225 宮城県仙台市泉区福岡字森下12
■WEBサイト https://paca-zeromura.jimdofree.com/

▲TOP

MELON会員団体訪問記 第9弾 宮城県漁業協同組合 指導部 指導課

【訪問情報】

■訪問日:2022年6月17日(金)
■訪問先:宮城県漁業協同組合 指導部 指導課
■訪問者:
インタビュアー:MELON理事 石垣政裕、MELON情報センター 吉田美緒 ライター:MELON情報センター 早川昌子

 去年は宮城県沖でイセエビが獲れた。MELON理事の石垣は、震災以降続けているボランティア活動の中で、こんな話を浜の人から聞いたそうです。地球温暖化による漁業への影響や漁業協同組合指導部の取り組みなどについて、宮城県漁業協同組合 指導部 指導課の小山さんと平塚さんにお話を伺いました。

獲れる魚が変わるとどうなるの?!

 獲れる魚種は変わってきているという話は聞きます。イセエビが今後も本格的に獲れるようになるのかはわかりませんが、獲れる魚種が違えば漁具も獲り方も違う。必要となる漁具、漁法の先進地視察を行い情報収集。既存の漁業とのトラブルを回避するためにどんなルールが必要か等について検討・調整が必要となります」と小山さん。
 漁業協同組合 指導部では、新たな魚種が獲れるようになると資源管理、既存漁業との調整は必須となり、許可を発給する宮城県との調整を基に、漁業に直接携わる方々と話合いを行い、課題にどう対応するかを考えていくのだそうです。
私たちが店頭で新鮮な魚を入手できるのは、様々なルールの中で漁業が円滑に進んでいることが前提なのだということを改めて知る機会となりました。

漁業協同組合の壁に貼ってあったポスター。宮城の海は魚がたくさん!

獲れる魚が変わるのはなぜ?

 「宮城県沿岸はリアス式海岸となっており養殖に適している。沖合の海は、親潮・黒潮が混じり合う資源豊かな海であることは間違いないと思います。例えば今年は、ここ数年に比べると親潮が南下しイサダが獲れました」と言いながら小山さんが見せてくださった資料(JAFICテクニカルレビュー)には、「地球温暖化に伴い海水温が上昇し、全国各地で海水魚の魚種組成が変化しつつある」とあります。
 宮城県水産技術総合センターの資料によれば、三陸沿岸海域は、黒潮、親潮、津軽暖流の影響を受ける複雑な海域で、「混合域」(図1)と呼ばれ、親潮は水温が低く、栄養塩がたっぷりと含まれているのが特徴で、生物を育む海流なので「親」潮という名前がついています。

 

 農業における転作のように、気候変動に対応して魚種を変えていくという考え方はあるのか尋ねてみました。
「試験養殖などは青年部で取り組んだりしています。今までワカメをやったことがない浜で試してみることもありますが、アメリカザリガニやブラックバスのように外来種対策は必要不可欠であり宮城県との調整は必要です。慎重に考える必要がありますね」と小山さん。なお、漁法ごとに事務局が設置されており、許可がなければ勝手には漁をすることはできないそうです。

漁場の資源管理

 
 漁業に携わる人たちが持続可能な漁ができるということが、私たちがいつまでもおいしい魚を食べ続けられることにつながります。水産庁のウェブサイトによると、新たな漁業法には、「漁業が国民に対して水産物を供給する使命を有し、かつ、漁業者の秩序ある生産活動がその使命の実現に不可欠であることに鑑み、(中略)水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り、もって漁業生産力を発展させることを目的とする」と明記されています。
 「国は、漁場が適切かつ有効に利用されているかを確認するんです。生産力というのは、獲れる量ということに限ってなくて、質も重要になってきます。例えば、テレビでも紹介されましたが、戸倉の海で養殖しているカキは、震災前は過密状態だったものを震災後に間隔をあけて育てることで大きなカキが育ったという話です」と小山さん。
 今年、宮城県漁業協同組合 指導部では、漁業法改正後の一斉更新にむけての実務が控えているそうで、養殖する場所や共同漁業権などについてのヒアリングももうすぐはじまるそうです。
 また、今、大きな議論になっているアルプス処理水の対応についても、「漁業者には、10年間頑張ってきたものが、ふっとんでしまうのではという思いが強いです。またやりなおしになるかもと。頭では理解できるけど、風評はおきるだろうという思いがあります」

宮城の海の豊かさがずっと続くように


 「宮城の海は豊かだと感じます。昨年はノリ、ワカメが不調でした。一方、カキ、ホタテ、銀ざけは好調だった感じです。特に銀ざけは、秋さけ等の不漁により、皮肉ですがいい値段がついています。あとは、タチウオ、トラフグが獲れました。西の方ではよく獲れる魚種ですがこちらでは珍しい。そうすると、調理方法などの普及も同時に進める必要がでてきます」
 平塚さんによると、魚離れがすすむなか、獲れた魚が売れるようにと食育・魚食普及活動として料理教室なども開催しているそうです。「料理教室は、毎年、女性部がみやぎ生協と連携して実施しておりましたが、コロナ禍でここ3年は開催できない状況です。今年は様々な対策を講じ実施に向けて取り組んでいる最中です」
 青年部や女性部の総会の場などでは、環境問題・漁業法改正などについて研修会を併せて実施しているそうです。MELONでも、今年5月に海洋プラスチックのセミナーを開催したばかり。海ごみについて尋ねると、漁具はプラスチックばかりなので、もともと浜ごとに持ち帰りのルールがあり、置く場所が決められているとのことでした。
 「SDGsと言われています。漁業の場合は、魚を獲り続けられる環境について若い世代から理解するのは大事かなと思います。農協さんとの交流もあります。宮城のコメを魚の餌にするという事業などもあり、漁協と農協さんとタッグを組んで、オール宮城という取り組みを進めています」と小山さん。
他には、女性部でやっていることとして、小学生を対象に募集している『みやぎの海の子』作文があるそうで、「38回目の今年も募集するのでたのしみです」と平塚さん。
  みやぎの海の子作文集には、子供たちの大好きなお父さんやおじいちゃんがいる海が好きという思いが詰まっていました。(後日、送付してもらい読みました。)


 今回、小山さんと平塚さんへのインタビューを通じて、宮城の豊かな海がこれからも豊かであり続けて欲しいと願う人たちの思いと取り組みを知ることができました。
そして、魚が一層おいしくありがたく感じられるようになりました!

■称  号:宮城県漁業協同組合
■事業内容: 信用事業(貯金業務、貸付業務、為替業務・公共料金払込・年金のお受け取り)、共済事業、経済事業(購買事業、販売事業、その他の事業)
■設  立: 平成19年4月
■所 在 地 :〒986-0032 宮城県石巻市開成1番27
■WEBサイト https://www.jf-miyagi.com/

▲TOP

MELON会員団体訪問記 第8弾 宮城県森林組合連合会ウッドリサイクルセンター

【訪問情報】

■訪問日:2021年10月27日(水)
■訪問先:宮城県森林組合連合会ウッドリサイクルセンター
■訪問者:MELON情報センター運営部員 石垣政裕、菊地淳、増田美鈴 事務局:山形裕昭 CSOラーニング生 原子大二朗

 

 〜ウッドリサイクルにおける中間処理〜

 
 今回は、産業廃棄物中間処理施設である宮城県森林組合連合会のウッドリサイクルセンターを訪れました。
 環境に配慮したリサイクル製品を生むための中間処理施設で、産業廃棄物の破砕を行っています。中間処理施設としての作業について詳しいお話を宮城県森林組合連合会業務部の我妻剛さん、ウッドリサイクルセンター所長の櫻田友貴さん、資源活用課の大山舜さん、鎌田裕子さんにお伺いしました。

我妻さんのお話を伺う情報センタースタッフたち

〜ウッドリサイクルセンターとは〜

 

 宮城県と仙台市から産業廃棄物処分業許可をもらい、産業廃棄物の破砕作業を行っています。実際に現地に赴き、その場で産業廃棄物の破砕を行う移動式の中間処理と、運搬業者から施設まで運んでもらい、施設内の破砕機を使って処理を行う固定式の中間処理の2種類の処理があるそうです。我妻さんは『森林の未来を開拓する価値創造組織として、森林バイオマス資源の有効活用を推進し、循環型社会の構築を目指しております。』とおっしゃっていました。発電用の木質バイオマス生産の向上に努めておられ、中間処理された産業廃棄物はバイオマス燃料や堆肥燃料、マルチング材料として、生まれ変わっています。
 施設ではロータリースクリーンを用いて、大きさごとにラージ、ミドル、スモールの3つに分けて、再利用に向けて選別作業を行っています。現在は職員3名、作業班4名の計7名で活動されています。

資源を有効活用し、循環型社会の構築を目指す。

~ウッドリサイクルセンターの始まりから現在~

 

 以前は伐採場所の周りに水をためて野焼きを行っていましたが、安全面の観点から禁止になりました。ウッドリサイクルセンターは野焼きが禁止となり、産業廃棄物をリサイクルしようということから始まったとのことです。
 資源有効促進法の制定により、産業廃棄物の破砕を行い、平成13年に木炭製造施設として創業開始されました。木炭は主に土壌改良や床下調質などのために利用されていましたが、木炭需要が減少したため、炭の製造を廃止し、新たにバイオマス燃料の製造に着手されています。宅地造成や国道の開通、ソーラーパネルの設置などのために、産業廃棄物として木々が出てくるようになりました。リサイクルセンターでは創業当初から一貫して、リサイクルを続けており、宮城県における重要な存在として現在も活躍されています。

持ち込まれ粉砕される廃材

~バイオマス燃料について~

 

 バイオマス燃料は再生可能エネルギーとして、注目を集めているエネルギーです。令和2年度のウッドリサイクルセンターで作業を行った木材の半分以上(54.32%)がバイオマス燃料になったそうです。このように注目されている発電用木質バイオマスの生産に努められ、施設も拡張され1000㎡を越え、生産拡大を図っています。

~処理について~

 

 林地残材・松食い虫被害材・支障木の枝条・根などを受け入れています。木材によってはとても大きいサイズのものがあり、特に根っこの部分はクレーンで持ち上がらないほど重いものもでてきます。その際にはチェーンソーを使って、細かくしてから運んでいるそうです。施設では固定式の設備が整っているため、手間はかかるものも機械で細かくすることができますが、現場ではこのような苦労があるとのことでした。現在は産業廃棄物の増加に伴い、運搬業者から施設まで運んでもらい、施設内の破砕機を使って処理を行う固定式の中間処理の割合が多くなっているそうです。

廃棄物がバイオマス燃料や堆肥燃料、マルチング材料に生まれ変わる

~終わりに~



 リサイクルを担う施設が木質バイオマスの生産に努めることで、今後、産業廃棄物処理などによって生まれる温暖化ガスの排出などの課題を軽減することができると感じました。いつの時代になっても必要な存在になるウッドリサイクルセンターのような施設が、環境配慮を行うことはとても重要で、今後様々な施設でも求められていくようになると感じました。
 処理工程や木質バイオマスの生産などについて、実際に現場で見せていただきながら、丁寧に説明していただきました。普段当たり前にあるのにも関わらず、詳しく知らなかった産業廃棄物の処理について詳しく学ぶことができ、重要性を再認識しました。
 ウッドリサイクルセンターの皆様、大変貴重なお話ありがとうございました。

CSOラーニング生 原子

■称  号:宮城県森林組合連合会ウッドリサイクルセンター
■事業内容: 産業廃棄物処理施設設置・産業廃棄物処分業
■設  立: 平成13年8月木炭製造施設として創業開始
■所 在 地 :〒981-3407 宮城県黒川郡大和町落合松坂銅山36-17
■WEBサイト http://www.miyamori.or.jp/recycle.html

▲TOP

1 54 55 56 57 58 95

MELONの旧ブログへはこちら