福岡泉薬師堂前の水神碑

所在地

仙台市泉区福岡字堂林

水系

七北田川

周囲のようす

 水神碑は薬師如来堂の門前の石碑群のひとつとしておかれ幅3mくらいの通りに面して、しっかりとその存在をアピールしています。この水神碑の後ろ100m位後方に薬師如来堂はあり、そのすぐ後ろは七北田川になっています。河床は50mくらい下です。また、水神碑の正面には根白石、福岡地区の広々とした田んぼが広がり、まさに見守っているという感じがします。

言い伝え

 この水神碑は福岡大堰の水神碑で福岡大堰の修理を記念して祀ったものです。元は山奥の杉林の中にあったが誰も見ないので、40年前に馬ソリに乗せて運んで現在地に移しました。重さは約1トンだそうです。

 福岡大堰は坂下地区の七北田川本流から取水され、福岡・根白石200町歩の田んぼを潤します。碑文によると嘉永(かえい)3年(1850年)に、水漏れが多くてその修理の費用がかさんだので、共同使用している根白石村、田中村、小岳(角)村、福岡村の役付らが相談して根本的に修理するために別穴を掘ることにし、藩の許しと援助も得て、南部吉助(なんぶきちのすけ)らの手によって修理したことを記念して建立されたものです。福岡大堰はこの修理の150年前から存在したといわれています。

見どころ

 堰とそれに伴う水路つくりはトンネルによって水路を作り、水を川床から高い場所に誘導するという大変な工事です。南部吉助は仙台市の四ツ谷用水の修理にも関わっている潜穴(トンネル)掘りの名手です。水路の水も清浄で、山を背景に広々とした田んぼも良い風景となっています。郷土の開発の歴史と先人の水へ思いを彷彿とさせてくれる碑です。

  水神碑

水神碑

福岡薬師堂前の石碑群

福岡薬師堂前の石碑群