八大龍王碑



震災後の状況(2011年6月):
土台から屋根まで根こそぎ津波により流されており、鳥居だけが残っている状態です。しかし、もとあった場所より数メートル脇に割れた石碑が1ヶ所に集めて置いてありました。鳥居の前にはプラスチック容器にお賽銭が入っており、津波後に石碑のかけらを集めた方や賽銭を置く方がいたことがうかがえました。

  震災後正面からの様子
震災後集められた石碑

所在地

仙台市若林区荒浜字中丁36番地33

水系

広瀬川

周囲のようす

 荒浜海水浴場の松林とそれに沿った道路の脇にあります。貞山堀よりももっと海浜側に建てられ、ほぼ砂浜の上にあります。小さな鳥居が南東に向かってすえられていて、小祠の中にブロックで囲まれ、八大龍王と太書きの文字の刻まれた2メートル余の石碑があります。

言い伝え

 文政7年(1824)建立。ここの文字塔は海難防止を祈願して建立されたもので、下に「海上安全当浜中」と刻まれています。

 龍はインド神話では蛇を神格化した人面蛇身の半神で、雲雨を支配するといわれています。それが中国を経て日本へ伝わり、水神として雨乞いや海上交通安全などのために海・川・湖沼等の水辺に建てられていることが多く、七大龍王や五大龍王あるいは龍神碑などとして建てられています。

見どころ

 海難防除祈願の碑で、海浜の集落に特徴的なものです。

 鳥居の脇に手水鉢が奉納されていますが、藤島久、二瓶東治の両名の記名があります。これは船乗りをしていた両名の安全を祈願して、二瓶東治氏のお父さんが奉納したものだそうです。

  全景

全景

八大龍王碑

八大龍王碑

手水鉢

手水鉢