|
■風力発電推進プロジェクトの活動総括■ |
プロジェクトを立ち上げた当初は風況に関するデータがアメダスのデータ以外には県内自治体が実施した3ヶ月間程度の調査結果しかなく、年間を通じてどれぐらいの風力の資源量があるかについて具体的な情報がありませんでした。MELON風力発電推進プロジェクトの活動により、七ヶ宿町柏木山において風力の資源量を正確に把握することができたことは大きな成果であり、有用なデータといえます。また、この他にも1年間の風況調査は気仙沼、松山で行われていますが、気仙沼では希少動物への影響、松山では風況が十分でないことから、いずれも風力発電事業は困難な状況だといえます。
MELONにとっては、自治体との協働を通じて地域とのつながり、関係者とのネットワークの充実を図ることができ、地域から環境を考え、ともに行動していく方々とのつながりを作れたことは大きな収穫と考えております。特に七ヶ宿町においての自然エネルギーや環境をテーマとした情報交換・交流などについては今後も進めていきたいと考えております。 |
|
|
|
MELON風力発電2001年8月に立ち上げられました。
@宮城県内における風力発電事業の可能性を見極めるための調査研究
A市民参加型風力発電事業のシステム研究
B関係者・機関のネットワークづくり
の3つをプロジェクトの目標とし、2001年には県内における風況調査候補地やその財源となる助成金などの情報収集を行ないました。 |
2001年度プロジェクト活動の経過はこちら |
|
2002年には2001年度に引き続き、風況調査候補地の選定をおこないながら、白石市内の地点でのNEDOフィールドテスト事業への申請を行ないましたが、残念ながら不採択でした。 |
2002年度プロジェクト活動の経過はこちら |
|
2003年には宮城県が3ヶ月間の調査を行なった石巻市内の調査地点でのNEDOフィールドテスト事業への申請を検討いたしましたが、自衛隊基地に関する法律のため風力発電建設の建設は困難との判断から断念いたしました。その間、七ヶ宿町との協議を重ね、2004年度にはいり共同による風況調査の実現までこぎつけました。 |
2003年度プロジェクト活動の経過はこちら |
|
七ヶ宿町との協同により、NPO法人北海道グリーンファンドの協力を得て、1年間の風況調査を実施しました。これにより、2001年から行ってきた、1年間の風況調査の実現を果たしました。七ヶ宿町との協同で自然観察会、町民を交えたシンポジウムを開催しました。
小型風力発電等についての学習としてメンバーが足利工業大学「風と光の広場」を訪れ、例会で報告しました。また県内での風況調査実施団体(カメイ株式会社、式会社一の蔵)等との情報交換を進めました。 |
2004年度プロジェクト活動の経過はこちら |
|
|
2004/4/9 七ヶ宿町にて風況調査開始 |
|
|
|
|
2005年度は七ヶ宿町での一年間の調査結果データから発電量の試算、および事業性についての検討を行い、次のような結果を得ました。 |
|
A) 15年間の稼動を試算しましたが、大きな赤字になる見通しになりました。(1500kW規模の風車1機、売電価格10円/kWhを想定すると△22,164千円) |
|
B) 国からの助成金を得るにはハブ高さでの年間平均風速が6m/s以上というのが審査の目安になっており、資金調達的に大変難しい状況です。(40m高での年間平均風速4.8m/s) |
このような結果から、MELONとしては七ヶ宿町柏木山における風力発電の事業化は困難であり、実現性はないという結論を出しました。将来的に燃料電池などの独立電源などと組み合わせたシステムについて大幅コストダウンが図られた場合には、スキー場の電源としての活用を再検討するなど想定されますが、現時点では時期尚早と思われます。
その他の地域での1年間の風況調査結果についても東北自動車道の古川インターチェンジ付近において風が強いのではないかというメンバーの意見に基づき、東日本道路株式会社による観測データを入手しましたが、最大値の平均で6.1m/sと、風力発電事業には適していないことが判明しました。 |
|
|
|