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石垣政裕(MELON理事) 2007/4/18掲載 |
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おやじの背中にはサクラ吹雪がよくにあう |
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寺岡にもきれいな桜並木があると、寺岡おやじの会の猛者連が話していた。地域の人たちだけでなく近郊からも集まって来るという。ほう、それは放っておけないではないか。さっそく「いくよっ!」と約束した。
団地の西外れ、頻繁に自動車の通る道路の両側、色鮮やかにコヒガンザクラのピンクの並木がある。付近には駐車場がないので、近くの方は歩くか、どこかに自動車をおいて歩いてくるのもいい。休日なら弁当持参ということもある。
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場所が分かるようにと、寺岡おやじの会の小幡さんが迎えに来てくれた。なるほど、自慢するだけのことはある。道路に沿って散歩道があるので、ゆっくりと散歩することができる。近所の子どもたちだろうか、自転車のカゴに駄菓子を入れてやってきた。若い二人もいる。子ども連れもいる。いい笑顔を見せてくれそうな熟年層もいる。陽の盛りを過ぎた頃でなければ、もっと人通りもあるだろう。「普段はほとんど人に会わないような通りですよ」と案内をしてくださった小幡さんは言う。 |
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新興の住宅地は、次第に高齢化していく。コミュニティを支える地域の活動も子どもたちの成長のピークに難しくなっていく。この寺岡の地域もいつまでも『新興』ではなくなっているのである。その危機感を人一倍感じ、そしてさまざまな地域の活動を仕掛けているおやじたちがここには集っている。この若いサクラのしゃんとした枝は、しゃんとした住民の心の色である。この公園の整備も買って出た。対岸の樹木の下に、おおよそ男たちには似合わないようなパンジーの可憐な花が未だ芽の吹かない住宅地に彩りを与えている。これも自分たちで植えたのだと。
道行き人に声をかけ、私たちは意外に長い散歩道を話しながら歩いた後、待っていてくれた人生の先輩、伊東さんと合流し、何から何までの話が弾んだ。長い四季の移ろいの中で、一時的ではあるにしろ、サクラは、ややもすると消極的になりがちな住民のコミュニケーションを奮い立たせてくれるのである。
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