公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

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執筆■井上郡康  2007/1/31up
エコツーリズムとエコツアー
 最近、エコツアーという言葉はよく耳にしますね。日本でも屋久島の自然体験ツアーであったり、農家に泊まって農業体験をするといったことも人気があるそうです。海外に目を向けると、環境先進国といわれるドイツでは環境に配慮した公共交通のシステムやバイオマス、風力発電等を見学するツアーが存在します。また東南アジアでは環境破壊の現状を目で見て植林をおこなったりと様々ですね。

 そもそもエコツアーのはじまりは環境省が平成15年11月から平成16年6月にかけて、有識者と関係府省で構成するエコツーリズム推進会議(議長:小池環境大臣)を開催し、「エコツーリズムの理解を広める」「エコツーリズムに積極的に取り組む地域を拡充する」「エコツーリズム推進事業者を拡大する」「エコツアー需要を拡大する」ことを基本目標に、様々な見地からエコツーリズムを考え、推進方策を決定したことから始まります。
まず良く耳にするエコツアーとエコツーリズムですが簡単に説明しますと、  
エコツーリズム
自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のありかた
エコツアー
エコツーリズムの考え方を実践するためのツアーで詳しく分けると
・ 原生的な自然におけるガイドツアー
・ 特徴的な野生生物とのふれあい
・ 自然の営みに触れる観察会への参加活動
・ 環境教育を主目的とした学校団体の活動
・ 農林業などを体験することで自然への理解を深める活動
・ 自然や文化に関する解説を受けながら地域を歩き巡る活動
・ 地域の生活や文化を体験する活動
・ 環境保全のために実際に貢献をする活動
・ 自然の中でゆったりとした時を過ごしながら自然の恵みを体感する活動
などがエコツアーにあてはまります。

 私も東南アジアにいたころ、植林のエコツアーに携わっていたのですが、本来の観光とは違った感動がありました。それは人とのふれあいを通して環境問題に触れ地元の人たちと一緒に活動をする、そこには国は違えど同じ人間なんだという連帯感が生まれ全てはつながっている事に気がつく。本当に意義があると感じていました。

 がしかし違和感を感じたことがあります。それはエコツアーの目的よりも収益を優先したツアーが存在すように思うからです。エコツアーとうたうからには収益よりも公益が優先されると思うのは私だけではないと思います。確かに利益が上がらなければできないのは常識であはありますが、もっと深い考えが必要なではないでしょうか。これからエコツアーに参加される方はぜひともそのツアーの目的をしっかり見据えいただければ充実したエコツアーになるのではないでしょうか。

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