公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

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執筆■南頼彦  2007/3/22up
「環境配慮型のまちづくりとは」
 “シモキタ”と呼ばれる街を知っていますか?
 青森の半島ではなく、東京は世田谷区にある街、下北沢。

 この下北沢という街はとても雑多で、入り組んだ狭い道にところ狭しと様々なお店が立ち並んでいます。演劇や音楽の街としても知られ、劇場やライブハウスがいたるところに存在し、街の外からも多くの人が集うとても魅力的な街です。強い個性が集まり、ぶつかり合っていることが下北沢という街の個性を形成しているように感じています。
 しかし今、この街に再開発の話が持ち上がっています。
 下北沢駅前の既存の市街を大きくつぶして、その上に大きな道路を通し、車の流れを良くしようというものです。下北沢に電車は通っていますが、道路に関しては確かに狭く、車が入り込みにくい地形ではあります。現在の自動車中心の社会から考えると、改善すべき事項なのかもしれません。しかし考え方を変えると、「歩いて楽しめる」=「車を使わない」=「CO
2を出さない」ということに繋がります。環境配慮型の生活が求められている今、歩行者中心の社会によって生まれたこの個性的な街をつぶしてしまうのはあまりにももったいないことだと思いませんか。
 何故こんな話をしたかというと、環境に配慮したまちづくり、地域づくりのヒントがこの“シモキタ”という街にあるのではないかと感じているからです。新しい住宅地を作るとき、その面積分の自然環境を犠牲にし、さらに住民の自動車利用が前提にあるためCO2の排出量は増える一方です。そして都市部にほど近い地域で新しい住宅地が増え住民が増える一方、都市部から遠く離れた地域では、駅周辺であっても住民が減り空家が増えています。この二つのことを考えた時に、下北沢という街の特殊性に学ぶべき点があるような気がしてならないのです。

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