公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

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執筆■小林幸司  2008/2/1up
旅行は“気付き”の宝庫
 みなさんは旅行が好きですか?どのくらいの頻度で旅行に行かれますか?
 以前、このコラムで井上がエコツアーに触れたことがありますが、今回はちょっと違う視点で旅行と環境の話しをしてみたいと思います。エコツアーでない普通の旅行でも環境問題への“気付き”のチャンスはたくさんあるのです。
 私は旅行が趣味なので、今まで国内外問わず、かなりいろいろなところへ旅行に行きました。こう言うと、旅行に行かない人に限って「金持ちはいいよね。」とか言いますが(笑)、要は価値観と優先順位の問題だと思います。高級な外車に乗っている人はみんな金持ちでしょうか?中には外車に乗るために節約に節約を重ねている人もいます。毎日飲んでいる人なら、それを週1回に減らせば海外旅行くらい行けます。私にとっては旅行の優先順位が高いというだけのことです。 
 で、話しを元に戻すと、旅行に行って異文化に触れることは、貴重な経験であり、いつも人間の幅を広げてくれる気がします。同時に、環境面においても小さな“気付きの素”をたくさん見つけられる良い機会でもあります。挙げるとキリがありませんが、例えば成田空港周辺のホテルでは今ではほとんどシャンプーや石鹸は使い捨ての小さい容器ではなく、大きな溜め置き式の容器に変わっています。海外のリゾートホテルでも、タオルは替えて欲しいものだけをバスタブに入れておくようにとのメッセージがあったり、ベッドメーク・シーツ替えが不要の日はそれを示す札をベッドに置いておくと、その分いくらかホテルが自然保護団体に寄附するようなシステムができていたり、いろいろなことがあります。こうしたホテルの取り組みは、もちろん経済的な理由も大きいのですが、逆に言えば、環境に配慮することは経済的にもメリットがあるということの証明でもあります。
 私が環境の仕事を志すようになったきっかけも実は旅行でした。すごく単純なことです。理屈抜きに自然の美しさ・素晴らしさに感動したことがきっかけだったのです。少しだけ説明すると、私はオーストラリア・ポートダグラスに新婚旅行に行ったのですが、そのとき参加したデイツアーで見たグレートバリアリーフの海にただただ感動しました。そのときはそれだけだったのですが、帰国後、海関連の雑誌や写真集などから徐々に知識を得て興味が増し、紆余曲折を経たのち、現在の仕事にいたっています。結局は旅行で見た景色、直接的には旅行で接した海が私に環境問題を気付かせるきっかけになったのです。
 国内旅行でも同じように“気付きの素”はたくさんあります。私と妻は、旅行に行くとたいていみやげ物屋よりも先に現地の八百屋や魚屋をのぞきます。なぜって?おもしろいからです。みやげ物屋は一部の特産品以外はどこでもだいたい似たり寄ったりの品が多いのです。でも、八百屋や魚屋、特に魚屋は距離が離れれば離れるほど見たこともないような魚がたくさん置いてあり、興味深いです。しかも、この魚はどこでとれるのだろうとか、この野菜はなぜウチの近所では栽培されていないのだろうとか、興味に任せて調べてみると、結局は海流とか気候とか地球環境につながっていったりします。   
 このように旅行には楽しい“気付き”や有意義な“気付き”がたくさんあり、その中には環境に関することもたくさんあるのです。だからと言って、「みなさんも必ず旅行に行って環境のことを考えなさい」などと言うつもりはありません。もし、旅行に行く機会があったら、この話しをちょっと頭の隅にだけ置いておいて欲しいのです。それだけで何かに気付く人はたくさんいるはずですし、気付いた人からできることをはじめてくれればいいと思っています。やっぱり旅行って楽しいですよ。

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