公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

私たちは、緑と水と食をとおして暮らしを考え、地球と地球環境の保全に寄与するために、多くの市民、知識人、協同組合、企業、団体で作られた環境NGOです。

宮城県仙台市の公益財団法人みやぎ環境とくらしネットワーク(MELON)の公式ホームページ。部会活動や環境に関するイベントの情報発信、ボランティア募集等を行っております。

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仙臺農塾

仙臺農塾プロジェクトVol.1 第8回
特別企画!「大人の遠足in大崎市田尻 田んぼと豚を五感で楽しもう」

日時 2013年6月30日(日)10:00~15:00
会場 たじりエコベジタブル(大崎市田尻通木字山崎102)
体験型農家レストラン蔵楽(大崎市田尻大貫字遠田54)
ゲスト 佐々木陽悦さん(たじりエコベジタブル)
佐々木重信さん(「蔵楽」店主)
参加費 4,000円
参加 24名

Vol.1のラストは、仙臺のまちなかを飛び出して、大崎市田尻に遠足です!
テーマは田んぼと豚。

まずは宮城のエコファーマー第1号で田んぼの環境保全に先進的に取り組んでいる佐々木陽悦さんの「たじりエコベジタブル」に集合。 佐々木陽悦さんから田んぼと生きもののつながりについて伺いました。
農業の近代化で化学農薬や化学肥料に依存した稲作が浸透。それによってごく当たり前にいた生きものメダカやカエルやトンボに影響を与えました。
そんな中、約40年前に田尻地域では環境保全型農業を推進、空中散布の中止や農薬の排除などを行なっていきました。

有機稲作ではたくさんの生きものの姿を見ることができます。その生きものの種類や数が、田んぼの安全性や環境保全もものさしになるのです。
たじりエコベジタブルでは毎年子どもたちの環境学習も受け入れ、地域一体となって生き物調査を行なっています。

今回は、参加者に生きものビンゴを配布しました。
これは、田んぼで見つけられる生きものを3×3のマスに1つずつ書いておき、見つけたものに○をつけ、ビンゴをいくつ作れるか、というものです。
田んぼの生きものについて注意深く見てもらうためのツールですね。

最初は恐る恐る手を伸ばしていた参加者が、慣れてくると1人またひとりと靴を脱いで田んぼに入っていきます。
田んぼに入ってみると、足の指の間から、ぬるぬるとした泥が足を包む感覚がたまらないっ!
わいわい言いながら童心にかえって楽しんでしまいました。

ちゃんと生きものの観察もしています。
珍しいカブトエビも佐々木陽悦さんの田んぼにはたくさんいました。
ヤゴやカイエビやユスリカもたくさん見ることができました。

佐々木陽悦さんのところでは、田んぼに魚も上がってこれるよう魚道を設置したり、ふゆみずたんぼをしていたり、トマトのハウスの暖房は使用済み天ぷら油から作るBDFを活用、ネオニコチノイド系農薬の削減と養蜂も行っていました。

昔は当たり前だったであろう、貴重な体験をさせていただきました。
その後は各自の車で次の体験場所「蔵楽」さんに移動です。

蔵楽は築100年以上の蔵を改装した農家レストランで、地元で採れたそばとお米と自家製野菜を使った料理が自慢です。
さらに、農業だけではなく、佐々木重信さんは養豚もしています。
そこで今回は無添加のソーセージ作りを体験しました!

まずは豚肉・氷・たまねぎなどの材料を昔ながらの機械でミンチ状にしていきます。

その後さらに塩やハーブなどを加えて細かく練り込んでいきます。

それをソーセージとして絞り出す機械に空気が入らないように叩きつけるように入れます。

そうしたら、肉を上から押しながら、下から出てくる量に合わせて腸軽く引き入れていきます。

これが結構難しく、なかなか同じ太さに出てきません。途中で空気が入ってしまうことも。
みなさん苦戦しながらも自分のソーセージを作っていきました。

そのソーセージを60分燻製して、さらに桜のチップで香りをつけながら60分燻製。
シンプルな燻製機でしたが、桜のチップで燻製すると外までいい香りが漂ってきました。

ソーセージの燻製中に、蔵楽でお昼ご飯です。 佐々木重信さんの豚しゃぶサラダとおにぎり、そして地元のそばの実の手打ちそば。
午前中体を動かしただけあって、みなさんぺろりと食べてしまいました。

ソーセージが出来あがるまでの間に佐々木重信さんのお話も伺いました。
体験型農家レストランとしているのは、農業の大切さを気軽に来て体験してもらいたいから。
「いつでも開けてるから、いつでも来てください。ただぼーっとしにくるだけでも良いですよ。」
と笑顔で話す佐々木重信さん。
ソーセージ作りにも添加物を使わないこだわりを持っています。

時間もまだあったので、養豚場を見学させていただきました。
思ったよりも簡素な小屋で、小部屋に仕切られている部屋に豚が8頭ぐらいずつ入っていました。
子豚もいてまんまるいお尻がかわいい。 興味津々で寄ってくる豚もいました。

さぁ、いよいよ燻製終了! 扉を開けた時の湯気と色の替わったソーセージに一同「おー!」と歓声。
まだできあがってないけれど「とったどー!!」というくらいに盛り上がりました。
自分が苦労して作ったソーセージがそれらしい形になるとすぐにでも食べたくなっちゃいます。

その後40分ほどボイルしてもらって、とうとうソーセージが完成しました。
待ちきれずに食べる人も。
添加物不使用のソーセージ、友達に分けて好評でした!との声もいただきました。

農業の現場をみて体感して、生産者の生活を知って、農村の空気を感じる、そうした体験は大人になっても感じるものが多いものです。 その機会を見つけたら、ぜひ現地に行く体験をしてみてください。
新たな発見があるはずです。