公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

私たちは、緑と水と食をとおして暮らしを考え、地球と地球環境の保全に寄与するために、多くの市民、知識人、協同組合、企業、団体で作られた環境NGOです。

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仙臺農塾

仙臺農塾プロジェクトVol.2 第5回
「三浦さんのセリに会いに行こう~収穫から鍋を体験!~」

日時 2014年3月15日(土)13:00~17:00
会場 三浦隆弘さんの農園(名取市下余田字飯塚410-3)
ゲスト 三浦隆弘さん(なとり農と自然のがっこう、セリ農家)
参加費 1,500円
参加 15名

あの名取下余田の三浦さんのセリ田に伺って、セリの収穫現場を見学&体験し、その収穫したセリを洗って、セリ鍋をいただきました。

仙臺農塾セリの回の始まりです! 何名かはすでに胴長を着用。お子さんも含む15名で体験開始です。 なんと青森から若手セリ農家さんも参加してくれました!

今回のゲスト、三浦隆弘さん。 仙台でセリと言えば三浦さん。さまざまなメディアにも登場し、別格のセリを育てるすごい農家です。

まずは、田んぼの中での歩き方を教えてもらいます。 胴長を来ていても、足が泥にハマってしまうとなかなか動けないっ! それは、セリ田の底にとても厚い泥の層があるから。 無農薬の田んぼならではの「トロトロ層」と言う泥の層があって、イトミミズなどの生きものが土を柔らかくしてくれているんです。 膝立ちをするようにして動くと、足が沈まず動きやすいのです。

準備ができたところで、セリの収穫の仕方を教えてもらいます。 仙台セリは根っこの美味しさが特徴! 根っこを切らないようにすることが大事です。 セリの茎を掴んだら、揺らすようにして土を落としながらゆっくりと引き上げます。

やってみると結構苦戦! 胴長を来ていても水の冷たさが伝わってきます。 それでもだんだんとコツが掴めてきて、みんな無言でセリの収穫をしていました。

夢中になってこんなに収穫しちゃいました! さぁ、おいしいセリ鍋をいただくには、ここからが重要です。

まずは三浦さん特製のセリ洗い装置で全体的に泥を落としていきます。 パイプに小さい穴をあけて、そこに水を通すと勢いよく水が噴き出す仕組み。 ホームセンターなどで買い揃えられるもので、手作りした装置です! 良く考えられてる~

次はひとつひとつ選別です。 枯れている葉や傷んでいるものを取ります。

そして、根っこ洗い作業! 歯ブラシで1本1本泥をこすり落としていくのです。 根本のところに泥が残りやすいので、しっかりと根本まで洗うことが大切。 最初に食べたセリに土が残っていて、ザリッとなると、もう食べたくなくなるのが人の心理ですよね…。 この作業がとっても大切なのです。

さぁ、みんなでセリ洗い作業です! 地道な作業ですが、同じ作業をする仲間がいて、おしゃべりしながらなんとか耐え抜きました(笑) 三浦さんのセリで「セリ鍋」を提供しているお店は、必ずこの作業をしているとのこと!なんということでしょう!おいしくセリ鍋をいただけるのって本当にありがたいですね…(涙)

きれいに洗い終えたセリ! 葉の緑と根っこの白のコントラストがすばらしいですね。みんなの苦労の証です。

いよいよセリ鍋!!
根・茎・葉、それぞれの味の違いを堪能です。
働いた後なので、山盛りあったセリがみるみるうちに皆さんのお腹の中に吸い込まれていきました。
みなさんの箸が止まらない止まらない…
贅沢な15:00のおやつをいただきました。

お腹も満足したところで、三浦さんからお話です。ちゃんと学ぶのが仙臺農塾です。

伝統野菜である仙台セリ。
三浦さんのところでは、育てたセリの一部を来年の作付用として分けておき、育苗していきます。
そうして何年もセリを作り続けているのです。
地域で自分たちが育て、種を取り(セリは種ではないですが)、また育てる、そうして伝わってきたのが「伝統野菜」なのですね。

今は仙台〇〇など地域野菜が増えていますが、他地域でとれたものや品種がいろいろだったりと、事情は様々なようです。
宮城にも伝統野菜はいくつかあるそうなのですが、

「美味しいものは残っていく」

という三浦さんの言葉も印象的でした。
やっぱりこうしてセリがおいしいと実感すると、セリをもっと食べていきたいと思うし、おいしいからこそ、これまで仙台セリは残ってきたのだと思います。

すべての野菜がそうした伝統野菜やこだわりの野菜になればよい、ということでもなく、一般的な野菜も日頃食べていくためには大切。 それぞれ役割があり、消費者が知っていること、分かって選ぶことが大切なのだと思います。
知って伝えていくこと、それができることなのでしょうね。

セリの美味しさと、この三浦さんの人柄が、みんなを惹きつけてやまないのだと思います。 みなさん、お疲れ様でした!!