公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

私たちは、緑と水と食をとおして暮らしを考え、地球と地球環境の保全に寄与するために、多くの市民、知識人、協同組合、企業、団体で作られた環境NGOです。

宮城県仙台市の公益財団法人みやぎ環境とくらしネットワーク(MELON)の公式ホームページ。部会活動や環境に関するイベントの情報発信、ボランティア募集等を行っております。

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仙臺農塾

仙臺農塾プロジェクトVol.3 第5回
「宮城の海の今を知る!~三陸の漁業・養殖業 復興中~」

日時 2015年1月28日(水)19:00~21:00
会場 飲み喰い処 伜(青葉区本町一丁目12-6)
ゲスト 酒井敬一さん(宮城県水産技術総合センター、気仙沼水産試験場 場長)
参加費 4,000円
参加 33名

世界三大漁場の三陸沖では一年を通して豊富な魚貝類が水揚げされますが、牡蠣・真さば・真たら・どんこなど、冬にしか味わえない味覚がたくさん。 宮城の海の現状や漁業の取組みをじっくり伺います。

ゲストの酒井敬一さんです。 酒井さんは、震災後、宮城の漁業復興のために、資源調査や新しい養殖技術の開発に尽力されてきました。資源調査のため、時には冷たい海の中に30分以上ももぐり続けるそうです。当日も朝自ら潜って取ってきたという若芽を10kgも持ってきてくださいました! 酒井さんは料理がお上手で、ボランティアで料理教室を開いていらっしゃいます。当日は、酒井さんが考える料理の奥深さ、楽しさについてもお話いただきました。 提唱しているのは「食楽(しょくらく)」。新しい料理を作り出したり、食の背景を含めて総合的に知的に食を楽しみましょう、という考えだそうです。

震災前、宮城はホヤ・ギンザケ・サメ類が全国一位の漁獲量で、カキ・ワカメ・アワビ・タラなどは2位と800億円もの漁業生産を誇っていました。 しかし震災で漁獲量は激減。 それでもがれきの撤去や養殖種苗の確保などに取り組み、ワカメ・コンブ・ギンザケは次の年には6~7割ほどに復活。ホヤも3年で5~6割までに戻り、漁船数は9割以上、魚市場の水揚げは8割と復興し始めています。一方、漁港はまだ26%しか終えておらず、これから一層の復興が求められています。

今回のメイン料理のひとつ、「タラ鍋」です!タラはまさに今が旬の食材です。 震災後、宮城の水産物は放射能汚染が心配されていますが、現在流通しているものは、安全管理を徹底しています。今回のメイン料理のひとつ、「タラ鍋」です!タラはまさに今が旬の食材です。 震災後、宮城の水産物は放射能汚染が心配されていますが、現在流通しているものは、安全管理を徹底しています。水産物放射能検査でも、100Bq/kg越えが一時6.5%でしたが、現在は0.1%とごくわずかです。まだすべての水産物で放射能が検出されないわけではありませんが、検出された魚はその個体だけでなく、同じ種類の魚は出荷を自粛するといった対応をしています。 一日も早い復興が望まれますが、その陰には徹底した安全管理があるんですね!

タラ鍋にはセリとねぎを入れて、だしポン酢でいただきました。皆でわいわいいただくお鍋は、初対面の人どうしでも距離を縮めてくれますね♪

今回の主役、生わかめです。タラ鍋でしゃぶしゃぶでいただきました。 生のときは茶色いわかめですが、お湯にくぐらせると一気に鮮やかな緑色になります。 酒井さんいわく、緑色になった瞬間が一番おいしいとのこと!ずっとお湯に入れていると、色が黒くなり風味も劣ってしまうそうです。 お湯に入れるとまるで別の海藻のように鮮やかな緑になる様子に、皆さん声を上げて驚いていました。 味も、乾燥わかめとはまるで別物です。歯ごたえがしっかりしていて、わかめの風味が強く、ほのかに磯の香がします。 普段はわき役のわかめですが、主役にふさわしい食材でした。 仙台でもさまざまな場所で料理教室をされている酒井さん。 酒井さんの軽快な口調に一同引き込まれ、もっと食楽のお話が聞きたくなりました。