公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

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VPRESS BackNamber●7、ちょっと気になる木のおはなし

 こんにちは、MELONです。今日はユアスタでお弁当を食べるときにも使う箸についてのお話しです。私たちの暮らしの中で最も身近にある「木」といえば、ひとつに「箸」が上げられます。

 日本人の食生活に欠かせない「箸」ですが、一方で「割り箸」のことはあまり知られていません。統計では、日本では割り箸を、年間230億膳、国民1人あたりにすると平均200膳近くを1年で消費している計算になります。あなたは割り箸をどのくらい使っていますか?

 日本人の割り箸の利用は、1960年以降急速に外食産業が伸びたことにともない利用率が上がりました。外食産業の割り箸利用率は国内全体の65%にものぼります。

 割り箸の利用が増えたことにともない、安価な中国からの輸入量が伸び、日本で利用される割り箸の90%近くが中国産となっています。しかし、中国では原料となる材木を切り出す際、森のほとんどすべての木を切り出し、その後の植林は一切行われていないため、それが原因となって大洪水が起こっています。

 また、安い中国産の割り箸におされ、それまで有効に利用されてきた人工林管理のために間引きした間伐材や、製材時に余分な部分として出される端材の利用が途絶えてしまいました。人件費が高く、木を切り出すだけで赤字になり、現在日本の林業は衰退してしまっています。

 近年は、外材も中国の発展(北京五輪のために木が大量に必要なんだとか)に伴い、日本に輸入される量が減っており、国産材の利用も増えているとのことです。しかし、日本でも中国同様、コストを追求すると皆伐されてしまう山が多く同じ問題が発生しています。

 持続可能な木材利用を進めるためには、何世代にもわたって木材利用ができるよう、森を育てながら木を利用しなければなりません。そのためには、木材の値段を、植樹やその後の山の手入れまでを見込んだ価格に設定する必要があります。

 ここまで割り箸の罪深さについて述べてきましたが、もちろんすべての割り箸が悪いわけではありません。最近では、国産の間伐材を利用した割り箸を有料で販売しているお店もあります。これまでタダだったものにお金を支払わなければならないことに、初めは戸惑いを感じる方もいらっしゃるでしょうが、何のために必要なのかを知れば抵抗はなくなるはずです。

 有料の割り箸はちょっと・・・と感じる方や、わざわざごみを出したくないという方は、「マイ箸」を使うという手もあります。環境負荷のある安価な外国産材で作られた割り箸に変わって、外出先に自分の箸を持参し利用する方法です。

 ちなみに、スタジアムでは、危険防止のため割り箸の分別回収も行っています。現在は、リサイクルは行っていませんが、今後のリサイクルのためにも、分別にご協力ください。

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